「今日のメインディッシュは肉料理!せっかくだから、何かワインを合わせてみよう!」と思っても、どんなワインを選んだら良いかわからず、悩んでしまうこともありますよね。
この記事では、ワインと肉料理のペアリングのコツを解説したうえで、ワインのジャンルやタイプごとに相性の良い肉料理を紹介します。また、肉料理と最高に相性の良いワインも紹介しているので参考にしてみてください。
本記事は、㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)のワイン担当を経て、現在はワイン検定の講師やワインライターとして活動中のワインエキスパート石関華子より解説させていただきます。ぜひ、ご自宅でワインと肉料理のペアリングを楽しんでください。

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ワインと肉料理のペアリングとは?
自分でワインと料理を「ペアリング」させるなんて、少しハードルが高く感じられるかもしれませんね。ですが、コツさえ掴めば誰でも「ペアリング上手」になれるのです。
まずは最初の一歩を踏み出すために、ワインと肉料理のペアリングのコツをお伝えします。
ワインの基礎知識:ペアリングとは
本題に入る前に、「ペアリング」という言葉について基礎知識を増やしましょう。
「ペアリング」とは、ワインと料理を組み合わせることです。
似たような言葉に「マリアージュ」という言葉がありますが、こちらはフランス語で「結婚」という意味し、ワインと料理の相性が非常によいことを表しています。
つまり、上手にワインと料理をペアリングさせることで、お互いの味わいを引き立てあうような、素晴らしいマリアージュを生み出すことができるのです。
最近では食事とワインのペアリングで提供するレストランも増えてきました。
一方、自宅でも普段の家庭料理やちょっと豪華な料理に、デイリーワインから高級ワインまでさまざまなワインを合わせることができます。
無限大の組み合わせの中から、素晴らしいペアリングが生まれたときの感動は、筆舌に尽くしがたいものがあるでしょう。
ペアリングとマリアージュに関してはこちらの記事を参考にしてみてください。ペアリングのコツや生み出されるマリアージュが解説されています。
関連記事:【ソムリエが解説】ワインのペアリングとは?料理と合わせるコツを紹介
関連記事:【ソムリエ解説】マリアージュとは?ペアリングが生み出すワインの魅力
肉料理と赤ワインの組み合わせ方
「肉料理といえば赤ワイン」と連想される方が多いのではないでしょうか?実際、肉料理の大半は赤ワインと相性が良いと言えます。
なかでも、ボリューム感が似たもの同士を組み合わせると、さらに相性が高まるでしょう。
例えば、ビーフシチューやサーロインステーキのようなボリューム感のある肉料理にはカベルネ・ソーヴィニヨンやシラー(ズ)といったブドウ品種のフルボディの赤ワイン。
ローストポークやチキンのトマト煮込みなど、ほどほどにボリュームのある肉料理にはメルローやピノ・ノワールといったブドウ品種のライト~ミディアムボディの赤ワインを合わせるといった具合です。
仮に、料理とワインのボリューム感が似ていないと、どちらかの味が強すぎて、もう一方の味わいが霞んでしまうようなことがあります。
他にも、イタリアンの肉料理にイタリア産の赤ワインを合わせるなど、ワインと料理の産地を合わせたり、高級な食材を使った料理には高級なワインを合わせるなど、ワインと料理の格を合わせるのもいいでしょう。
肉料理に合うのは赤ワインだけじゃない!
肉料理に合うのは赤ワインだけではありません。なかには赤ワインよりも白ワインやロゼワインの方が合う肉料理もあるのです。
そもそも、ワインと料理は色を合わせると相性が良くなる傾向にあります。
そのため、肉料理でもクリームソースを使ったような白系統の色合いのものは白ワイン、ソーセージやハムなどのピンク系統の色合いのものはロゼワインがよく合います。
また、ロゼワインやスパークリングワインには、幅広い料理に合わせやすいという特徴があります。そのため、中華やエスニック風の味付けのものなど、一見ワインを合わせるのが難しそうな肉料理にも寄り添ってくれるのです!
どんなワインを合わせるか迷ったときの救世主ともいえますね。
ソムリエが教える!ワインのタイプ別おすすめの肉料理
では、具体的にワインのタイプ別に相性の良い料理を見ていきましょう。
お好きなタイプのワインから合わせたい料理を考えるもよし、好きな料理から合うワインを選ぶもよし、ぜひペアリングディナーの参考にしてみてください。
濃厚な赤ワインにはボリューム感のある肉料理
芳醇な香りに、果実味とタンニンが豊富で力強い味わいのフルボディの赤ワインには、ボリューム感のある肉料理を合わせるといいでしょう。先述のように、双方のボリューム感が似ているため、お互いの味わいが引き立ちます。
具体的には、サーロインステーキや牛肉の赤ワイン煮込みなど、脂がのった牛肉を使う料理と好相性です。肉の脂っぽさを、ワインのタンニン(渋み)がさっぱりと感じさせてくれる効果も期待できるでしょう。
また、このタイプの赤ワインはデミグラスソースやラグーソースで味付けした料理とも相性が良いので、デミグラスハンバーグやビーフシチュー、ハッシュドビーフ、ラグーソースのパスタなどの料理ともよく合います。
洋食だけでなく、コクのある赤味噌で味付けをした和食にも合います。
具体的には赤味噌で煮込んだモツ煮や、牛すじや豚モツ、コンニャクなどを赤味噌とみりん、砂糖で煮込んだ愛知の郷土料理「どて煮」などがよく合います。ぜひ試してみてください。
ミディアムボディの赤ワインにはシンプルな味付けの肉料理
ピノ・ノワールやメルローといったブドウ品種の果実感とタンニンが程良いバランスのミディアムボディの赤ワインには、しっかりと肉の旨味を感じられるような肉料理がよく合います。
ボリューム感からしてバランスが取れていることはもちろんのこと、ワインの果実感が豊かでまろやかな味わいなので、素材の旨味をしっかりと引き出してくれるからです。
具体的には、ローストビーフや仔羊のソテーなど、シンプルな味付けで肉そのもの旨味を味わう料理とよく合います。他にも、鴨肉や鹿肉といった赤身の多いジビエ料理とも相性抜群です。
特にピノ・ノワールというブドウ品種から造られたワインは、和食では欠かせない醤油との相性がよいとされています。ピノ・ノワールのワインと醤油の質感や味の軽度が類似しており、ワインの果実感と醤油の旨味が相互に作用し、より風味豊かに感じられるようになるのです。
そのため、味付けに醤油を使ったやきとりや肉じゃが、豚の角煮など、さまざまな日本の肉料理に寄り添ってくれるでしょう。もちろん、醤油をつけていただくシュウマイなどの肉料理にも相性抜群です。
ミディアムボディの赤ワインは家庭料理からジビエまで非常に汎用性が高いといえるので、ぜひ気軽にペアリングにチャレンジしてみてください。
爽やかな酸味の白ワインには爽やかな味付けの肉料理
リースリングやソーヴィニヨン・ブランなどのブドウ品種から造られる爽やかな酸味の白ワインには、同じく爽やかな味付けの肉料理がよく合います。白ワインといえば魚料理というイメージがありますが、酸味がアクセントになった肉料理との相性は抜群です。
例えば、オレンジソースをかけたローストポークや鴨のロースト、レモンをかけて頂く鳥の唐揚げなど、柑橘類の風味が味わいのアクセントになっている肉料理と合わせるのがおすすめです。ワインと料理の双方に柑橘系の風味が感じられるため、相乗効果で美味しく感じられるでしょう。
和食では、酢やポン酢が味わいの決め手となっている肉料理がよく合います。
例えば、肉団子黒酢あんや手羽元の黒酢煮、ポン酢を付けていただく水炊きも相性抜群です。
また、スパイスやハーブの効いたエスニック料理にも白ワインを合わせることで面白い味わいが生まれることがあります。タイやベトナムの肉料理でも白ワインのペアリングを楽しんでみてください。
まろやかな味わいの白ワインにはまろやかな味付けの肉料理
ピノ・グリやゲウェルツトラミネールといったブドウ品種の酸味が穏やかでまろやかなタイプの白ワインは、クリームソースやホワイトソースを使った肉料理とよく合います。
具体的には、サーモンのヴァプールクリームソースやクリームシチュー、鶏肉のグラタンなどと好相性です。まろやかなタイプの白ワイン特有の華やかな香りとほのかに甘みを感じる果実味が、クリームソースのコクと見事に調和してくれるでしょう。
the newのサーモンのヴァプールクリームソースのレシピはこちら
和食では、白味噌を使った肉料理と相性抜群です。他の味噌に比べて塩分濃度が低く柔らかな味わいの白味噌に、このタイプの白ワインの豊かな果実味が絶妙にマッチします。
ぜひ白味噌の豚汁や豚ロースの白みそ焼き(西京焼き)などの料理と合わせてみてください。
また、このタイプの白ワインは、蒸し鶏や鶏むね肉のピカタなどの淡白な味わいの肉料理に合わせると、味わいに華を添えてくれます。
フルーティなロゼには軽めの肉料理
フルーティーで軽やかなロゼワインには、生ハムやサラミ、ソーセージ、パテ・ド・カンパーニュ、ポークリエットなどの軽めの肉料理がよく合います。
また、ロゼワインは赤ワインと白ワインの両方の性質を兼ね備えているため、幅広い料理と相性が良いとされます。特に辛口のロゼワインは、さまざまな香辛料を使った酢豚や回鍋肉、餃子などの中華料理と合わせるのもおすすめです。
中華料理は油の多い料理もありますが、ロゼワインが洗い流して口の中をさっぱりと感じさせてくれる効果もあります。ワインの本場でもあるフランスでは、中華料理とロゼワインのペアリングはもはや定番になっているそうですよ。
甘口のロゼワインには、生ハムメロンやフルーツソースの肉料理のような甘みがアクセントの料理を合わせてみてください。ワインと料理、双方の甘みや酸味、香りが引き立ち、素晴らしいマリアージュを楽しむことができるでしょう。
すっきりとしたスパークリングワインにはシンプルな味付けの肉料理
すっきりとしたスパークリングワインも、ロゼワインと同様、幅広い料理に合うワインといえるでしょう。ただし、濃い味付けの料理と合わせると、スパークリングワインの繊細な味わいが損なわれてしまう可能性があるので注意が必要です。
特に、シャンパーニュなどの高級なスパークリングワインは繊細さが魅力なので、合わせる料理はできるだけシンプルな味付けの料理を選ぶといいでしょう。もちろん、クリスマスディナーの定番のローストチキンとは相性抜群です。
スパークリングワインの炭酸は爽快感を与えてくれるので、揚げ物や脂っこい料理にもおすすめです。鶏ムネ肉のフリットやソーセージのアヒージョなどにも合わせてみてください。
また、炭酸の刺激やすっきりとした味わいが食欲を促進してくれるので食前酒としても活躍するスパークリングワイン。スパークリングワインに合わせて、コース料理の前菜にシンプルな味付けの肉料理をペアリングしてみましょう。
ソムリエが選ぶ!肉料理に最高に合うワイン4選
肉料理と合うワインは数多く存在しますが、その中でも特に合うワインを4本厳選しました。
また、それぞれのワインに合わせたい肉料理もご紹介しているので、ぜひペアリングも試してみてください。
シャトー・ポンテ・カネ
シャトー・ポンテ・カネは、ボルドーのメドック地区の著名シャトーの赤ワインです。メドック格付け5級の最高級ワインのシャトー・ムートン・ロートシルトの畑に隣接しています。
シャトー・ポンテ・カネの熟成には、新樽が平均して50%ほど使用されています。新樽を用いることで、樽由来のロースト香やバニラなどのスパイス香などが感じられます。
一方で、樽の香り以上にフルーツの香りが溢れており、ポテンシャルの高さを物語っています。
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しっかりとしたお肉料理との相性が抜群です。シンプルに焼いたお肉でもよいですが、少し時間をかけて煮込んだ牛肉とのペアリングは感動的なマリアージュを生み出します。
シャトー・ポンテ・カネの歴史や特徴、味わいなどをソムリエが徹底解説している記事も参考にしてみてください!
関連記事:シャトー・ポンテ・カネとは?オススメワインや当たり年をご紹介 - theDANN media
ヴィニスタ 2019 ペドロ パッラ イ ファミリア
ヴィニスタ 2019 ペドロ パッラ イ ファミリアは、高名なチリの地質学者ペドロ・パッラ氏が造る、可愛らしくもスパイシーな赤ワイン。 樹齢120年を超える古木のパイスというブドウから造られ、発酵はステンレスタンク、熟成はフードレ(25HL)と大樽(50HL&14HL) で行われています。
明るいルビー色で、もぎたてのストロベリーやラズベリーなどの赤い果実、赤いゼラニウム、シダやメントールの清涼感、丁子やシナモンなどのスイートスパイスを感じます。軽やかなアタックで、やや豊かな酸味、優しくきめ細かいタンニンが心地よく、余韻に残る甘草を思わせるわずかな苦味が厚みを与えています。
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ワインの果実味と酸味にあわせてベリー系のソースを添えた肉料理と相性抜群です。変わりダネとして、ぜひ試していただきたいのがやきとりとペアリング。甘いタレと柔らかな鳥もも肉との質感がワインにマッチします。
サンタ マッダレーナ ゲヴュルツトラミネール
サンタ マッダレーナ ゲヴュルツトラミネールは、北イタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェ州で、優良な協同組合が造っている、華やかな白ワイン。 ゲヴュルツトラミネール100%、ステンレスタンクで醸造されています。
やや濃いレモンイエロー。もぎたてのライチやマスカット、白バラや金木犀の華やかなアロマ。白胡椒やコリアンダーなどのスパイスもわずかに感じます。強めのアタックで、ボリュームのある果実味やアルコール感を生き生きとした酸味が綺麗に和らげ、心地よい苦味ともバランスしています。華やかで爽やかなワインです。
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おすすめの肉料理は、肉団子の黒酢あんです。ジューシーな豚肉の甘みと旨味に加え、黒酢のまろやかさと酸味がアクセントになるでしょう。
キリ ヤーニ / アカキーズ スパークリング ロゼ
キリ ヤーニ / アカキーズ スパークリング ロゼは、ギリシャの冷涼地アミンテオで、ギリシャを代表する生産者が造る、可愛らしいロゼのスパークリングワイン。 土着品種クシノマヴロ100%で、ステンレスタンクですっきり爽やかに造られています。
明るいチェリーピンク色。いちご、ラズベリー、レッドチェリー、ハイビスカス、紅茶のアロマ。軽やかなアタックで、溌剌とした酸味とわずかに感じられる甘みやタンニン、軽快な泡のバランスが見事です。まるで生のラズベリーを頬張ったような、ジューシーでチャーミングなワインです。
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幅広い料理と相性のよいロゼですが、チャレンジしていただきたいのが青椒肉絲とのペアリング。香り高いごま油や濃厚な肉汁とロゼの酸味と華やかさが相性抜群のペアリングです。
肉料理とワインのペアリングを楽しもう!
肉料理とワインのペアリングの方法や、各ジャンルのワインと相性の良い肉料理、肉料理と相性の良いワインを紹介しました。
肉料理とワインのペアリングが成功すれば、それぞれの味わいが引き立ち、より一層おいしく感じられます。
肉料理といえば赤ワイン!はもちろんのこと、様々な種類のワインと料理のペアリングを楽しんでみてください。
この記事でご紹介させていただいたワインやご自身のお気に入りのワインでさまざまなペアリングを試し、そのマリアージュで至福のひと時をお過ごしくださいね。
肉料理の次は魚料理とワインのペアリングも知りたい!という方はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
関連記事:ソムリエ直伝!ワインと魚料理の最高の組み合わせ!おすすめワインもご紹介 - theDANN media
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ワインとのペアリングによって、素晴らしいマリアージュが堪能できます。
いつものディナーが、まるで旅行先でふと入ったレストランにいるような楽しいひとときになるでしょう。
パートナーの方やご友人の方と、気軽にペアリングを楽しめます。
ぜひ、the newによる新しいワインのストーリーをお楽しみください。
執筆者プロフィール

ワインエキスパート 石関華子
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
日本ソムリエ協会高知支部副支部長
㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)のワイン担当を経て、2016年に日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。以降、ワインライターとして数多くのメディアや通販サイトにワインの紹介記事寄稿やコラムを寄稿する一方で、高知県内におけるワイン検定の講師を務めている。
2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任し、現在に至る。