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ソムリエ直伝!ワインと魚料理の最高の組み合わせ!おすすめワインもご紹介

ワイン 魚料理

 

 

「魚料理は、ワインと合わせるのは難しい!」
「魚料理には日本酒が合うから、ワインは勝てないわ…」


とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?四方を海に囲まれた日本には、古くから魚を食べる文化が根付いて美味しい魚料理がたくさんあります。ワイン好きの方はワインと魚料理の組み合わせも楽しみたいものでしょう。


本記事では、㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)のワイン担当を経て、現在はワイン検定の講師やワインライターとして活動中のワインエキスパート石関華子より、ワインと魚料理のペアリングについて解説させていただきます。

実体験も交えた分かりやすい内容になっているので、この記事を参考に、ご自宅でワインと魚料理のペアリングをぜひ楽しんでください!

 

ワインと魚料理のペアリングとは?

ワインと魚料理のペアリング

 

「魚料理に白ワインを合わせたものの、なんだかイマイチだった…」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?


魚料理といっても、魚の種類や調理法によって味わいが大きく異なるため、相性の良いワインも変わってくるのです。まずは、ワインと魚料理のペアリングのポイントを押さえておきましょう。

 

ワインの基礎知識:ペアリングとは

本題に入る前に「ペアリング」という言葉の意味を確認しておきましょう。「ペアリング」とは、ワインと料理を組み合わせることを意味する言葉で、正確には1皿の料理に1種類のワインを合わせるというものです。
 
似たような言葉で、「マリアージュ」という言葉があります。こちらはフランス語で「結婚」という意味する言葉で、ワインと料理の相性が非常に良いことを表しています。
つまり、ワインと料理を上手にペアリングさせることで、お互いの味わいを引き立てあうような、素晴らしいマリアージュを生み出すことができるのです。
 
最近では、ワインとコース料理のペアリングメニューを提供するレストランも増えています。一方、ご家庭でも普段の家庭料理とデイリーワインを合わせたり、ちょっと豪華な料理には高級なワインを合わせたり、様々なペアリングが楽しまれているでしょう。

 

その組み合わせはまさに無限大。そこから素晴らしいマリアージュが生まれたときの感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。ワインと料理のペアリングのコツについてソムリエが解説した記事も参考にしてみてくださいね。

関連記事:【ソムリエが解説】ワインのペアリングとは?料理と合わせるコツを紹介 

 

魚料理には白ワイン?例外もご紹介

魚料理には白ワイン

 

「肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン」と言われますが、魚料理にもいろいろな料理があるので、この説が必ずしも正しいとは言いきれません。


確かに、白身魚のように脂肪が少なく味わいが淡白な魚を使った料理には、赤ワインよりも白ワインの方がしっくりくると言えるでしょう。また、甲殻類や貝類も脂肪分の量が少なく、あっさりとした味わいのため、白ワインとの相性が良好です。


一方で、まぐろやカツオなどの赤身魚は、白ワインよりも軽めの赤ワインの方が好相性です。その理由としては、一般的に赤身魚は白身魚に比べて味わいが濃厚で旨味が強いことや、赤身魚の身に含まれるヘモグロビンというたんぱく質が、一部の赤ワインに含まれる鉄っぽい香りにマッチすることが挙げられます。


このように、魚料理とワインのペアリングの第一段階としては、「白身魚に白ワイン、赤身魚に赤ワイン」といった具合に、魚の身の色とワインの色を合わせてあげるといいでしょう。

 

魚料理とワインの組み合わせ方

先述のように、魚料理とワインの相性としては、

 

白身魚・甲殻類・貝類⇒白ワイン
赤身魚⇒赤ワイン

 

というのが基本になります。
しかし、調理方法や味付けにによって、相性の良いワインが変わってくることもあります。

 

例えば、白身魚である鯛をお刺身や塩焼きなどのあっさりとした味付けの料理にするなら、さっぱりとした辛口の白ワインが合いますが、煮つけなどのコクのある味付けの料理にするなら、深みのある赤ワインが合うでしょう。このように、料理とワインの味わいを似せたり、味わいに共通点を持たせたりすると相性が良くなります。

 

ほかにも、ワインと料理の産地を合わせるのもおすすめです。例えば、イタリアンの魚料理の定番であるアクアパッツァには、イタリアの白ワインがよく合います。

 

このように、ある国や地方の郷土料理とその土地のワインというのは、基本的に相性が良いでしょう。理由は諸説ありますが、おそらく長い歴史のなかで、お互いの味わいが寄り添うように進化してきたからではないでしょうか。

 

ソムリエが教える!魚料理別のおすすめワインの種類

ワインと魚料理のペアリングのポイントについて「色」「味わい」「産地」を合わせると解説しましたが、慣れないうちは難しく感じてしまうこともあるでしょう。ここでは、ご家庭で魚料理とワインのペアリングが実践しやすいように、具体的な魚料理別に相性の良いワインを紹介します。ぜひ試してみてください。

 

魚介のアクアパッツァ×香り高く爽やかな味わいの白ワイン

ワインとアクアパッツァ

 

魚介を水と白ワインで煮るアクアパッツァ。魚の切り身を使うと手軽に作れるので、ご家庭でも楽しみたい一品ですよね。尾頭付きの魚を使うと良い出汁が出て、見栄えも豪勢になるので、パーティーメニューとしても大活躍でしょう。


そんなアクアパッツァは、イタリアのナポリの郷土料理ですので、ぜひ試していただきたいのが、ナポリが属するカンパーニャ州の白ワインとのペアリングです。カンパーニャ州の白ワインは、香り高さや上品な酸、爽やかな味わいが特徴で、魚介の旨味を一層引き立ててくれます。産地が同じという点においても、間違いないペアリングと言えるでしょう。


ほかにも、香り高く爽やかな味わいの白ワインとしては、イタリアのヴェネト州のソアヴェ、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランのワインなどもおすすめです。魚の種類を変えてみたり、貝やイカ、タコ、エビなど様々な魚介類を用いたり、アクアパッツァに変化を持たせて、様々なマリアージュを楽しむのもよいでしょう。

 

鮭ときのこのクリーム煮×まろやかでコクのある味わいの白ワイン

鮭のクリームシチュー

 

ほっこりとしたコクが魅力の鮭ときのこのクリーム煮。老若男女に愛される優しい味で、特に秋・冬など肌寒いシーズンにリピートしたくなるメニューですよね。


そんな鮭ときのこのクリーム煮には、酸味は控えめでまろやかでコクのある味わいの白ワインがよく合います。樽熟成を経た白ワインもいいでしょう。鮭ときのこの旨味が染み出たクリームの豊かなコクに、ワインの芳醇で深みのある味わいが寄り添って、華やかなペアリングを演出してくれます。


具体的な白ワインとしては、カリフォルニアやチリのシャルドネ、フランスやドイツのゲヴェルツトラミネール、フランスやイタリアのピノ・グリージョのワインなどがおすすめです。

 

真鯛のカルパッチョ×酸味が豊かでシャープな味わいの白ワイン

真鯛のカルパッチョ

 

オリーブオイルと柑橘類の果汁で生の真鯛をさっぱりと頂くカルパッチョ。わさび醤油を付けていただくお刺身とはまた違った鮮魚の楽しみ方ができる料理ですよね。


そんな真鯛のカルパッチョは、きりっとした酸味が感じられるシャープな味わいの白ワインと抜群の相性です。このタイプの白ワインはグレープフルーツやレモン、ライムといった柑橘類の香りが感じられることが多いため、同じく柑橘果汁を使用しているカルパッチョの風味と絶妙にマッチするでしょう。

 

具体的な白ワインとしては、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ、スペインのアルバリーニョ、イタリアのトレッビアーノなどのワインなどがおすすめです。ワインの中に感じられる香りに合わせてカルパッチョの果汁やドレッシングを変えてみたり、ハーブを添えてみたりすると新たなマリアージュが発見できて、より一層ペアリングを楽しめるでしょう。

 

白身魚のフリット×スッキリ辛口なスパークリングワイン

白身魚のフリット

 

サクッとした衣の触感が楽しい白身魚のフリット。そのままでも美味しいですが、レモン汁をかけると、味わいが引き締まり、また違った美味しさを楽しめますよね。

 

そんな白身魚のフリットにピッタリなワインは、すっきりとした辛口のスパークリングワインです。フリットの「サクッ」とした食感と、スパークリングワインの「シュワッ」とした舌触りが口の中に交互に訪れ、躍動的なペアリングを楽しむことができるでしょう。

また、レモン汁をかけていただく場合は、酸味が豊かなスパークリングワインがおすすめです。いずれにしても、フリットの油っこさをスッキリさせてくれる効果も期待できます。

 

具体的なスパークリングワインとしては、イタリアのプロセッコや、スペインのカヴァ(辛口)などがおすすめです。

 

たらのムニエル〜バターソース〜×アロマティックでリッチな味わいの白ワインor高級スパークリングワイン

タラのムニエル〜バターソース〜

 

たらの切り身に塩コショウで下地を付け、小麦粉をまぶし、両面をバターでじっくりと焼くムニエル。バターソースをかけることで、より香ばしくコクのある味わいに仕上がります。


たらのムニエル~バターソース~には、アロマティックでリッチな味わいの白ワインが相性抜群です。ムニエルのリッチな味わいに寄り添い、豪華なペアリングを演出してくれます。
具体的な白ワインとしては、カリフォルニアのシャルドネやフランスのローヌ地方のヴィオニエのワインなどがおすすめです。そのなかでも、樽熟成された白ワインを選ぶといいでしょう。樽熟成されたワインは、バターソースの香ばしさに負けないくらいの香ばしさがあります。


他にも、たらのムニエルの「ご馳走感」や「高級感」に合わせ、フランスのシャンパーニュやイタリアのフランチャコルタなど、高級なスパークリングワインを合わせるのもいいでしょう。

 

鰤の照り焼き×優しく柔らかな味わいの赤ワイン

鰤の照り焼き

 

脂ののった鰤を醤油や砂糖をベースにした甘辛いタレをからめながら焼く鰤の照り焼き。香ばしい香りが食欲をそそり、ご飯も進みますよね。


そんな鰤の照り焼きには、白ワインよりも赤ワインの方がよく合います。白ワインではタレの香ばしさに負けてしまうこともありますが、赤ワインならバランスよく釣り合うからです。
一方で、いくら脂がのっている鰤でも、豚や牛に比べたら脂肪分は少なく、あっさりしています。そのため、あまり濃厚な味わいの赤ワインを合わせると、今度は鰤の照り焼きの方が負けてしまいます。そこで合わせたいのが、タンニン(渋み)が控えめで、優しく柔らかな味わいの赤ワインです。


なかでも一押しは、日本の赤ワイン用のブドウ品種であるマスカット・ベーリーAのワインです。マスカット・ベーリーAのワインには、綿あめのような甘やかな香りがあることも多く、タレの甘さにも寄り添ってくれます。また、タンニンが少なく優しい味わいのため、しっかりと鰤の旨味を引き立ててくれるでしょう。


他にも、ピノ・ノワールメルローなどの品種のワインもおすすめです。

 

ソムリエが選ぶ!魚料理に最高に合うワイン3選

魚料理と相性の良いワインは数多く存在しますが、その中でも特に魚料理に合う、私の一押しワインを3本厳選しました。それぞれのワインに合わせたい魚料理もご紹介しているので、ぜひペアリングも含めて試してみてください。

 

ベリンジャー ナパ・ヴァレー・ルミナス・オーク・ノール・シャルドネ

 

カリフォルニアの銘醸地として知られるナパ・ヴァレーのシャルドネのワインです。
生産者はカリフォルニアでた最も古く伝統のあるベリンジャー。「優れた品質へのこだわり」が130年以上もの間、脈々と受け継がれています。


樽熟成に由来するバターやアーモンド、完熟した果実の香りに、生き生きとした果実味と豊かなミネララルと酸のバランスの良い味わいが特徴的。


相性の良い魚料理は、クリームソースやバターを使った魚料理です。ワインから感じられるバターやナッツの香りが料理の風味を一層引き立て、ワインの奥行きのある味わいが料理の濃厚な旨味を引き立て、華やかさや醸し出すペアリングとなるでしょう。

 

ウィリアム・フェーブル シャブリ

 

フランス・ブルゴーニュ地方シャブリ地区のシャルドネから造られたワインです。


シャブリ地区のワインの特徴といえば、キリっとした酸味と豊富なミネラル感なのですが、ウィリアム・フェーブルの『シャブリ』では、レモンやグレープフルーツのような柑橘類の香りに、キレのある酸味とミネラル感が醸し出す爽快な味わいが感じられ、シャブリ地区のワインの特徴がしっかりと体現されています。


ぜひカルパッチョや魚介のマリネなどの酸味を効かせた魚料理と合わせてみてください。ワインの柑橘香とキレのある酸味が相まって、爽やかさ溢れるペアリングとなります。
また、シャブリは牡蠣との相性が良いので、生牡蠣や焼き牡蠣、牡蠣フライなどを召し上がる際は、こちらのワインをお供に添えてみてはいかがでしょうか。本場フランスでも定番のペアリングですよ。

 

登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州

 

山梨県にある登美の丘ワイナリーの自社農園の甲州を100%使用した日本ワインです。甲州とは日本固有の白ワイン用のブドウ品種で、製法によってさまざまなスタイルのワインを生み出します。


『登美の丘 甲州』は、ミカンのような和柑橘の爽やかな香りに、凝縮感のある果実味と穏やかな酸味が醸し出すふくよかな味わい、後味に残るほろ苦い余韻が特徴的。


相性の良い料理は、素材の味わいを活かしたような和食の魚料理です。具体的には、お寿司やお刺身、白身魚の天ぷら、焼鮭、鰤しゃぶなどがあります。これらの料理は、あまり調味料を使用せず、魚(素材)そのものの旨味をメインに味わう料理でしょう。『登美の丘 甲州』はしっかりと旨味は兼ね備えている一方で主張が強すぎないため、素材ならではの味わいを邪魔することなく引き立ててくれます。


魚とワインの繊細な味を味わいつくす、魚が美味しい日本だからこそできる贅沢なペアリングとなりますよ!

 

要注意!魚料理とワインのNGな組み合わせ…

ワイン魚料理NG

 

ワインと魚料理を組み合わせたときに、魚の独特の生臭みを感じて「失敗した!」という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際、生臭さを生じてしまうワインと魚料理の組み合わせがあることが大手酒造メーカーの研究わかっているのです。

 

その研究では、ワインに含まれる鉄分と魚の不飽和脂肪酸が反応して発生する「ヘプタジエナール(heptadienal)」という物質が生臭みの原因だと言われています。特に赤ワインには鉄分が多く含有されており、生臭みを発生させてしまうこともあるので注意が必要です。

 

もし生臭みを感じてしまった場合、魚にオリーブオイルをかけたり、少し火を通してみるなどすれば、生臭みが和らぐことがあります。生臭みを感じた際の対処法としておすすめですよ!

 

魚料理とワインのペアリングは難しくない!気軽にチャレンジしてみましょう!

ワインと魚料理のペアリング

 

魚料理とワインのペアリング方法や、魚料理に最高に合うワインを紹介しました。


これまで魚料理とワインのペアリングは難しいとこれまで感じていた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本記事で解説した魚料理とワインのペアリングのコツを参考に魚の種類や料理の味わい、どこの国の郷土料理か、などを考えながら合わせると、面白いようにペアリングが成功します。


そして、魚料理にワインを合わせることによって、他のお酒を合わせたときには感じられなかった新たな美味しさに出会えるかもしれません。ぜひこの記事を参考に、ワインと魚料理のペアリングを気軽に試してみてくださいね!

 

魚料理だけではなく、肉料理とワインのペアリングも知りたい!そんな方は、肉料理とワインのペアリングについて解説したこちらの記事がおすすめです。定番の赤ワインだけでなく、様々なワインと肉料理のペアリングや肉料理に最高に合うワインをご紹介しています。

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石関 華子

筆者プロフィール:ワインエキスパート 石関華子
㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)のワイン担当を経て、2016年に日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。以降、ワインライターとして数多くのメディアや通販サイトにワインの紹介記事寄稿やコラムを寄稿する一方で、高知県内におけるワイン検定の講師を務めている。
2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任し、現在に至る。