こんにちは、theDANN編集長のダンです。
身近なマーケットや酒屋にてずらりと並べられている数々の日本酒たち。
豊富なラインナップがある日本酒のラベルをじっと観察してみると、「純米」「本醸造」などの記載があり、どんな意味だろうと興味をひかれますよね。
今回は、日本酒に良くある記載、特定名称酒がどんな意味を持つのか、奥深い日本酒の種類や特徴をわかりやすくご紹介していきます!
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特定名称酒とは?
特定名称酒は、日本酒のラベルに記載されている、「純米」「本醸造」などがあり、原材料となるお米や精米の歩合など、特定名称酒の条件を満たした日本酒のことをいいます。
特定名称酒は、
①吟醸酒
②純米酒
③本醸造酒
の3つに分類されていて、そこからさらに8種の日本酒に分類されています。
ここでは、特定名称酒8種それぞれの特徴となる、原料や香り、味わいなどをわかりやすくまとめてご紹介しますね。
特定名称酒の種類・それぞれの特徴
※専門用語は後ほど解説しますよ!
純米大吟醸酒 | 純米吟醸酒 | 純米酒 | 特別純米酒 | 大吟醸 | 吟醸酒 | 本醸造 | 特別本醸造 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
原料 | 米・米こうじ | 米・米こうじ | 米・米こうじ | 米・米こうじ | 米・米こうじ・醸造アルコール | 米・米こうじ・醸造アルコール | 米・米こうじ・醸造アルコール | 米・米こうじ・醸造アルコール |
精米の歩合い |
50%以下 |
60%以下 |
規定なし |
60%以下 |
50%以下 |
60%以下 |
70%以下 |
50%以下 |
造り |
吟醸造り |
吟醸造り |
通常 |
特別な醸造方法 |
吟醸造り |
吟醸造り |
通常 |
特別な醸造方法 |
香り |
香り高くフルーティー、華やか |
フルーティーで華やか |
ふくよかで奥深い香り |
ふくよかで奥深い香り |
フルーティーで香り高く、ふくよか |
華やかでフルーティー |
フレッシュなアルコールの香り、みずみずしい |
フレッシュでみずみずしい |
味わい |
上品でなめらか、お米本来の甘みが深い |
お米本来の甘みがスッキリしている、淡麗でなめらか |
コクがありまろやか、飲みやすい |
お米本来のあまみがまろやか、コクがある |
淡麗でスッキリ、上品な味わい |
上品でマイルド、すっきりしている |
シンプルで爽快、飲みやすい |
飲みやすくまろやか |
特定名称酒の用語について
特定名称酒の8つもの種類は、それぞれにたくさんの違いがあるので、把握しておくと自分の好みに合ったベストな日本酒が、スムーズに選べるようになりそうですね。
ここからは、ご紹介した特定名称酒の8つの種類の中で、知っておきたい用語について解説しましょう。
精米歩合
白米の中の玄米に対する重量の割合を意味しています。
日本酒を造る際には、ある程度まで削られ、精米したお米を使用し、その削った具合が精米の歩合になります。
米麹
白米に麹菌を繁殖させ、白米に含まれたでんぷんを糖化できる原料のことをいいます。
特定名称酒に分類されているすべての日本酒は、こうじ米を使用した割合が、15%と規定されているんですよ。
醸造アルコール
サトウキビなどの穀物から醸造されたアルコールのことをいいます。
このアルコールを特定名称酒に使うと、味がクリアになったり、香り高くなったり、日本酒の質が安定するなどのメリットがあります。
ただ、醸造アルコールは、純米酒のみには使用されていない特徴があります。
吟醸造り
より良く精米した白米を、低温にてじっくり、ゆっくり発酵させ、かすの割合を高くする醸造方法のことをいいます。
手間と時間をかけて醸造するため、吟醸造りの特定名称酒は、他にはない香り高さが大きな魅力のポイントとなっています。
特定名称酒の3種について
続いては、お米の精米具合・原料などの条件を満たした、
①吟醸酒
②純米酒
③本醸造酒
それぞれ3種の特定名称酒の分類についてご紹介します。
吟醸酒とは?
吟醸酒は、精米の具合が60%以下に精米したお米、米こうじや水、アルコールを原料に、吟醸造りという製法にて作られた日本酒のことをいいます。
また、香味と色沢が良好であることも吟醸酒の条件となっています。
吟醸酒には、さらに大吟醸酒に分類されるものもあり、この場合は50%以下の精米歩合が特徴になっています。
純米酒とは?
お米や米こうじ、または水を原料にしてつくられた日本酒のことを純米酒といいます。
純米酒の製造過程にも特徴があり、アルコールの添加が一切されず、お米のみでつくられた日本酒でもあります。
純米酒のカテゴリーの中にも、さらに3種の日本酒があり、それぞれに香味や味、香りや精米の歩合といった細かな条件の違いがあります。
本醸造酒とは?
本醸造酒とは、精米の歩合が70%以下であり、お米や米こうじ、または醸造アルコール・水を原料にしてつくられた日本酒であること、そして香味や色沢が良好であるといった条件があります。
そのため、製造には手間や時間がかかり、添加できる醸造アルコールの量も、使用するお米と重量の10%までといった決まりがあります。
これまでにご紹介した吟醸酒よりも、本醸造酒は香りが比較的おさえられているため、シンプルで飲みやすいメリットがあります。
本醸造酒の精米の歩合が60%以下、または特別な醸造方法の場合は、特別本醸造酒に分類されます。
特定名称酒8種の特徴
特定名称酒は、ここまでにご紹介した吟醸酒・純米酒・本醸造酒からさらに、8種もの種類に分けられています。
ここからは、特定名称酒8種の特徴についてチェックし、日本酒を納得・満足して選ぶための参考に役立てていきましょう。
純米大吟醸酒
特定名称酒の純米系に分類される純米大吟醸酒は、醸造アルコールを使用していないことで、お米の甘み、本来の香りや味わいを楽しめる日本酒です。
純米吟醸酒
純米系に分類されるふたつめの特定名称酒、純米吟醸酒は、製法品質表示基準に定められ、低温でじっくり発酵させた原料と、粕の歩合多くするこだわりの方法でつくられ、ふくよかな香味が特徴として人気を集めています。
特別純米酒
ここまでにご紹介した純米酒の中でも、酒蔵が独自に開発して差別化をしたいときに使う名前が特別純米です。
また、特別純米酒に使用する原材料や製造の方法なども、客観的な事項を用いてパッケージやラベルに表示することができる特別名称酒でもあります。
純米酒
日本酒は、製造の段階で醸造アルコール添加されるもの・されないものに区別されています。
純米酒は、アルコールの添加がなく、お米と米こうじ、水飲みの原料で作られた、ナチュラルで純度の高い特定名称酒として知られています。
大吟醸酒
特定名称酒の大吟醸酒に分類されている日本酒のひとつ、大吟醸酒は、吟味して醸すという奥深い意味が込められています。
手間や時間をかけ、じっくりと丁寧につくられた大吟醸酒は、50%以下の精米歩合でなければ名乗れないことが決まりとなっていて、令状酒よりも高額でハイスペック、クリアな味わいが他にはない魅力のポイントとなっています。
吟醸酒
続いてご紹介する吟醸酒とは、素材や原料を吟味しながら醸造された日本酒のことをいい、白米を低温にてじっくり発酵させ、特有な香りを有するように醸造されています。
吟醸酒の吟醸造りは、磨き上げたお米を10℃前後の低温にて、1ヶ月もの時間をかけて発酵させるため、奥深い香りの成分がもろみの中に凝縮されやすい特徴があります。
特別本醸造酒
特別本醸造酒は、原料となるお米を手間と時間をかけてより良く磨いているため、雑味のないフレッシュな味わいに仕上げられています。
また、特別本醸造酒は、他の日本酒のように、オリジナルの名付け方がないことで、特別本醸造という分類に分けられるようになっています。
日本酒特有のクセがなく、味のバランスが整っていることで、日本酒が初心者の人にも飲みやすいメリットがあります。
特別本醸造酒に添加される醸造アルコールは、原料となる白米の総重量の10%以下が決まりとなっていたり、香りや色沢が良い特徴があるため、比較的高額で高級な商品が多くなっているようです。
本醸造酒
日本酒の原料となるお米と米こうじに、醸造アルコールを添加したものが本醸造酒です。
醸造アルコールを添加するのは、本醸造酒の味わい・品質の劣化を防止・深みのある味わいに仕上げるなどの目的があり、サトウキビやトウモロコシ、お米を発酵させて蒸留精製した、比較的強めのアルコールとなっています。
本醸造酒は、さまざまな原料と、強めのアルコールをブレンドしているため、キレのある味わいに仕上がります。
このような特徴から、日本酒初心者の方よりも、日本酒通の男性・女性に親しまれているようです。
特定名称酒の歴史的な背景
特定名称酒は、醸造用アルコール添加の有無、精米の歩合の大小によって、「純米」「本醸造」「吟醸」などのカテゴリーに分けられていたのですが、実はこの制度は昭和15年(1940年)から長きにわたって存在していました。
特定名称制度が導入されたのは平成に入ってからで、これまでは特定名称酒というカテゴリー分けがなく、「特級」「1級」「2級」という分類となっていました。
もともと長く存在していたカテゴリー分けですが、この制度が導入された当初は、市場の混乱が予想されたこともあって、導入当初は市場の混乱も予測されたため、大手メーカーは独自の商品表示・記載を展開し、この影響で税制となることもあったようです。
おわりに
日本古来の歴史と伝統がある日本酒は、特定名称酒という奥が深い種類に分けられていることが把握できましたね。
日本酒の特定名称酒や精米歩合、原料などをおさえておくと、これからの日本酒を楽しむ何気ない時間が、さらに充実したひとときに変わりそうです。
ご紹介した特定名称酒の情報を見直しながら、伝統ある日本酒をじっくりとお楽しみくださいね!
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