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出羽桜の日本酒の口コミは?吟醸酒ブームを生んだ味の特徴を徹底解説

出羽桜の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?|theDANN media
「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。

 

これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。

 

No.9は「出羽桜」です!

 

はじめに

 

山形県の日本酒は平成28年、地域ブランドの品質を国が保証する「GI山形」に指定されました。

 

これは山形県内で生産される日本酒が一定の基準を満たしていると認められた価値ある表示です。

 

なかでも日本中に「吟醸酒ブーム」を巻き起こした出羽桜酒造では、平成に入ってからも山形のお米を使った日本酒の製造を始めたり、脱酸素装置の導入したりなど革新的な取り組みを行っています。

 

また、山形から日本酒を世界へ広めるため、早くから日本酒の輸出を始めたのも出羽桜酒造です。

 

 

ここでは、出羽桜酒造が製造している「出羽桜」の味の特徴や製造方法、日本酒に対する山形県全体の取り組みについて紹介します。

 

 

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吟醸酒ブームの火付け役となった「出羽桜」その味の特徴と特定名称酒について 

出羽桜 日本酒 山形

(画像:出羽桜公式HP)

 

「出羽桜」は多くの銘柄が販売されていますが、なかでも「吟醸酒ブーム」の火付け役となった吟醸酒には定評があります。

 

出羽桜酒造では戦後から他社に先駆けて吟醸酒を発売していましたが、その独特の製法のために非常に高価だったこと、大吟醸酒や吟醸酒といった分類ではなく、特級、一級、二級といった級別に分類されていたことなどの理由でなかなか普及しませんでした。

 

出羽桜酒造は何とかしてこの「吟醸酒」を一般の人たちにも普及したいとの思いから、昭和55年、一般消費者でも購入しやすい価格で「桜花吟醸酒」の販売を開始しました。

 

販売後、その芳醇な香りと端麗な味わいはたちまち評判となり、日本中に「吟醸酒ブーム」が起こりました。

 

そして「出羽桜」は吟醸酒の代名詞となり、広く世間に知られるようになりました。

 

「出羽桜」の味の特徴について、インターネットの口コミやレビューでは「フルーティで華やかな香り」「端麗でふくよかな味わい」と高く評価されています。

 

この「熟れた果物のような」と例えられる香りは、酒米の表層にあるタンパク質やデンプンといった、いわゆる「雑味」の原因となる部分や、吟醸酒の香り成分である「酢酸イソアミル」の生成を抑制するといわれている脂質を徹底的に磨いて作られた吟醸酒ならではのものです。

 

ここで、大吟醸酒や吟醸酒、純米酒といった日本酒の種類について少し説明します。

 

日本酒は「特定名称酒」といって、精米歩合(米を精米して残った米の割合)や醸造アルコールの添加の有無によって、大吟醸酒、純米大吟醸酒、吟醸酒、純米吟醸酒、本醸造酒、純米酒に分類されます。

 

そのうち大吟醸酒は「精米歩合50%以下」、吟醸酒は「精米歩合60%以下」と定められています。

 

精米歩合50%以下まで磨くと米の脂質はほぼ除去され、この酒米を使用して作られた「大吟醸酒」や「吟醸酒」は香り高い、クリアな味になります。

 

しかし、だからといって精米歩合が低い「本醸造酒」(精米歩合70%以下)や「純米酒」(精米歩合による規定なし)の品質が劣るわけではありません。

 

日本酒の雑味の原因とされるタンパク質や脂質、でんぷんも適量であれば酒の「コク」になるのです。

 

吟醸香が高い方が良いか、コクのある味わいが良いかは個人の好みによるところが大きく、出羽桜酒造でも大吟醸酒から純米酒まで、多種多様なラインアップをとりそろえています。

 

また「純米~」という表示は醸造アルコール(主にサトウキビを醸造させて作った純度の高いアルコール)が無添加ということを表していますが、醸造アルコールを添加すること自体は必ずしも悪いことではありません。

 

むしろ添加することで酵母の香りがいっそう引き立ち、日本酒に個性がつけられます。

 

出羽桜酒造では大吟醸酒や吟醸酒のほか、山形県のオリジナルの酒米や酵母を使った酒や醸造の過程で炭酸を添加したスパークリング酒、醸造した酒を数年寝かせた古酒などの商品を手掛けており、令和元年6月の時点では約40種類もの銘柄が販売されています。

 

山形のお米で日本酒を「出羽桜」のこだわりの製造方法

 

日本酒は米を麹菌と酵母菌の力で「アルコール発酵」させたものです。

 

このうち麹菌は米のデンプンを糖分に分解する酵素を出し、酵母菌は麹菌の酵素で分解された糖分をエネルギーとしてアルコールを作り出します。

 

麹菌の力でデンプンを糖化させないと、酵母菌はアルコール発酵できません(並行複発酵)。

 

日本酒は、原材料はもちろん、糖化と発酵の進め方によっても味が大きく変わってきます。

 

以上のことを踏まえて、出羽桜酒造の酒造りを見ていきましょう。

 

酒造りはまず、酒米を精米することから始まります。

 

出羽桜では精米歩合が一番高いもので35%、平均で50%まで酒米を丁寧に磨き上げます。

 

使用する酒米は「山田錦」(兵庫県産など)のほか、「出羽燦々」や「出羽の里」、「雪女神」といった山形のお米を使用しています。

 

なぜ地酒でありながら他県産の酒米を使用しているのかというと、「山田錦」などの酒米は山形県での栽培が難しく、他県産の米に頼るしかなかったからです。

 

しかし、昭和の後期に入ると次第に山形県オリジナルの酒米を作ろうという機運が高まり、平成7年の「出羽燦々」を皮切りに次々と新しい品種が開発されました。

 

続いて洗米、そして酒米を甑(こしき)で蒸す蒸米の作業にかかります。

 

吟醸酒の場合、米に水を吸収させるのに秒単位で間合いを図らねばならないため、ここでも熟練の技と経験が必要です。

 

それから蒸米に麹菌をふりかけて米麹を作りますが、温度管理には常に気を使わなければなりません。

 

こうしてできた米麹に水を加えて混ぜ合わせ、酵母と蒸米を加えて培養して「酒母」を仕込みます。

 

酒造りに使用する水は豪雪地帯である山形県の豊富な地下水を汲み上げたもので、水質は香り高い吟醸酒を造るのに最適な軟水です。

 

また、山形県オリジナルの酒米があるように、麹菌や酵母にも山形県が独自に開発した「オリーゼ山形」や「山形酵母」があります。

 

「オリーゼ山形」(麹菌)は糖分を生成するα-グルコシダーゼの活性が高く、「山形酵母」は香りが良い上に酸の生成が少ないことから醸造した酒をマイルドにするという特徴があります。

 

最後にこの酒母と蒸米、麹、水をゆっくり発酵させて(もろみ仕込み)、発酵が終了したらもろみを圧搾機で搾って日本酒が完成します。

 

しかし、日本酒を最もおいしい状態で保存するためには、完成後の出荷管理が不可欠です。

 

出羽桜酒造では日本酒の完成後、「脱酸素装置」で酒の中の酸素を除去してからマイナス5度のタンクで保存しています。

 

これは長期保存と酒の香り成分を酸化させないために行うもので、出羽桜酒造が全国で初めて導入した技術です。

 

また、通常は2回行う火入れ(加熱処理)も、吟醸クラスの日本酒の場合、新鮮な味や香りを保つため、生のまま貯蔵し出荷前1回だけ火入れを行っています。

 

「出羽桜」は創業以来、こういったこだわりの酒造りを続け、国内はもとより国外でも高い評価を受けるようになりました。

 

山形から世界に羽ばたく「出羽桜」とGI山形の指定までの道のり

 

出羽桜酒造は山形から日本酒を世界へ広めるため、平成9年から日本酒の輸出を開始しました。

 

輸送中、品質をどう保つかなど課題は山積みでしたが、平成12年(2000年)以降日本食レストランの数が北米やヨーロッパ、アジア各国で急激に増加したことなどから年々需要が高まり、平成9年には年間1,000リットルだった輸出量が平成23年には年間74,000リットルにまで成長しました。

 

こうした功績が認められ、「出羽桜」は平成20年、平成28年の2回に渡って世界最大規模のワイン・コンペティションであるIWCでチャンピオン・サケを受賞し、名実ともに世界一の酒となりました。

 

GI山形 GI 出羽桜 日本酒

(画像:出羽桜公式HP)

 

また山形県の他の酒造メーカーでも県全体のブランドイメージを上げるべくGI制度新設当初から取得に乗り出しました。

 

地理的表示を国が保証するGIの取得までには長い時間がかかりましたが、前述した山形県のオリジナル酒米の開発に早くから取り組んでいたこと、「出羽燦々」だけを使用した「DEWA33」という山形産ブランドを展開していたこと、県内の酒造メーカー全体で技術力向上のための研究活動に取り組んでいることなどが評価され、平成28年に山形の日本酒は「GI山形」の指定を受けました。

 

今後も山形県の酒造メーカーが一丸となって、より一層の品質の向上を目指すことが求められています。

 

山形から日本酒を世界へ、海外から注目される山形の日本酒

山形 日本酒 出羽桜

(画像:出羽桜公式HP)

 

平成25年に日本食が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されると日本酒も海外のセレブから注目されるようになりました。

 

日本酒の海外への輸出量も、国内での消費が伸び悩むのとは対照的に、平成 15 年には8,270キロリットル、平成 25 年には16,202キロリットルと倍増しています。

 

出羽桜酒造をはじめとする山形の酒造メーカーでは日本酒の輸出に積極的に取り組んでおり、その輸出量は東北6県で第1位(平成30年度)です。

 

世界を見据えた出羽桜の酒造りにこれからも目が離せません!

 

いかがでしたでしょうか。今回は「出羽桜の日本酒の口コミは?吟醸酒ブームを生んだ味の特徴を徹底解説」について書きました。ぜひ出羽桜を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。 

 

次回は「WAKAZE」です!

「日本酒を世界酒に」という若手の造り手の熱い思いが込められた日本酒です!

記事はこちら>>WAKAZEの日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの? - theDANN media

 

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