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日本酒の原料加工「お米の下ごしらえ」を徹底解説!

日本酒の原料加工「お米の下ごしらえ」を徹底解説!|theDANN media

 

こんにちは、theDANN編集長のダンです。

 

ところで、日本酒の造り方はご存知ですか?


「日本酒は大好きだけど、造り方は全然分からない!」
「日本酒がどうやって出来るのか、そういえば、考えたことなかったかも、、」

 

日本酒はよく飲むけれど、造り方を知っている人は少ないかもしれませんね。


そこで今回は、日本酒の原料加工の行程「お米の下ごしらえ」についてお話をしていきます。

 

 

日本酒の原料は酒造好適米

 

日本酒の原料は酒造好適米です。


酒造好適米は、タンパク質・脂肪・ミネラル・ビタミンが少なく、私たちが毎日口にするお米よりも、大粒で柔らかいという特徴があります。


美味しい日本酒を作るためには、原料となる酒造好適米の下ごしらえが重要です。


私達の想像以上に、さまざまな行程がありますので、一緒に確認して行きましょう。

 

1.精米

 

お米の下ごしらえの最初の行程が、精米です。


雑味が生まれてしまうタンパク質・ビタミン・脂肪・ミネラルなどが含まれた米粒の表層部や米の胚芽を削って、それら成分を少なくしていくのが精米です。


精米についてお話をするときに、欠かせないワードが「精米歩合」です。

 

精米歩合とは

 

精米歩合とは、玄米に対する精米後の白米の重量パーセントのことをいいます。


ちなみに精米歩合50パーセントとは、玄米の状態から約半分、50パーセント分の重さを削ったという意味です。

 

私たちが普段口にしているお米(飯米・めしまい)は、精米歩合が約90パーセントです。


一方、酒造好適米は精米歩合を70~30パーセント程度にします。食用のお米よりも、多めに精米してるんですね。


ただしお酒の種類によって、精米歩合は変わっていくんです。あくまでも目安ではありますが、普通酒の精米歩合は70パーセントほどとなっています。


そして吟醸酒などの特定名称種は、60パーセント以下の精米歩合とされています。

 

どうしてお酒の種類によって、精米歩合を変えるのか?

 

精米歩合を変える理由は、お酒の味や香りに大きな差を生むためです。


雑味が少なく、気品ある香りが魅力的な吟醸酒を作る場合は、できるだけ米の精白度を上げていきます。コンテストに出されるお酒に大吟醸なども精米歩合が高いお酒が多いことからわかるかもしれませんね。

 

米のタンパク質は発酵の途中でアミノ酸に分解されることにより、酒の味を形づくる成分となりますが、多いとスッキリとした味わいにはならないからです。


もともと吟醸酒を作るときには、タンパク質の少ない酒造好適米を選ぶことが多いですが、精白度を上げてさらに少なくしていくというわけです。

 

ただし、精米歩合に限らず近年は造り手の技術によって左右されることも多いため、精米歩合によって味が全て変わるとも言い切れないのが現状です。

 

2.枯らし

 

精米の後は、枯らしという作業です。


精米したお米を紙袋や貯蔵槽に入れて、冷暗所にて数週間置いておきます。


酒造りの行程を説明する際には、省かれてしまいがちではありますが、枯らしは酒造りをする上でとても大切な意味を持っています。

 

枯らしをする意味は、2つあります。

 

①お米の熱をとるため

 

長時間精米された米粒は、摩擦によって熱を帯びています。


お米が熱を持った状態で、次の洗米の行程に移ると、急激な温度変化によって水を吸収しすぎて、米粒が割れてしまうリスクが大きくなってしまうのです。


そこで、お米の熱をとるために「枯らし」が必要となります。

 

②水分の「量」と「分布」を安定させる

 

精米時の摩擦熱によって、米粒の中にある水分の分布にムラが出てしまいます。クオリティの高いお酒を作るためには、原料となる米の状態が重要なんですね。


そこで、枯らしの作業をして米粒内の水分分布を安定させます。

 

3.洗米

 

文字通り洗米は、米を洗う酒造りの行程の1つです。


お米の表面に付いている、余分なタンパク質・カリウム・ぬか・糖分などを洗い流していきます。


日本人の主食はお米ですから、ご家庭でもお米を炊くときに洗うというのは、ごくごく当たり前のことでしょう。だから、洗米の作業も簡単だと思っていませんか?実は、結構大変な作業なんです。


理由としては、お米の産地・気候・精米歩合などの状況を考慮しながら、数トン単位の大量のお米をどれくらいの時間で洗い上げていくのかを決める必要があるからです。


特に精米歩合の低いお米は、水分を吸収しやすいため、洗米の難易度が高くなります。


もちろん、冷たい水で大量のお米を洗い続ける大変さも忘れてはいけません。


ただ洗うだけではなく、お米がどのくらいの水分を補給していくのかを注意深くみていきながら米を洗うのは、プロの技から生まれているんですね。

 

4.浸漬(しんせき)

 

「浸漬(しんせき)」は、時間を調整しながら米粒の中心に水を吸収させていく作業です。


酒造りの最重要ポイントの一つと言える麹菌の繁殖に、最高のパフォーマンスをしてくれる蒸米を作るためには、欠かすことができません。

 

洗米した時の水分量も考えながら米粒に水分量を含ませ、良い蒸し米を造る準備をします。

 

5.水切り

 

名前通りの作業工程で、浸漬したお米の水気を適度に切ることを言います。ザルに上げて水を切る場合や洗濯機のように遠心分離機で水をとり、短時間で済ませる場合もあります。

 

ゆっくり水分をとってしまうと米の水分量に影響するので、給水率を考えながら水切りをしないといけませんね。

 

6.蒸し

 

高温の乾燥した湯気、つまり蒸気を使用して水切りしたお米を蒸す作業です。


蒸す際には、大きなせいろや自動連続蒸米機を使うのが一般的です。


お米を炊くのではなく、蒸すことで蒸かすことで高温低湿状態を作り、お米を酒造りにちょうど良い状態にしていくのです。


ここでお米を加熱することによって、米粒一つ一つが殺菌されるので、雑菌に弱い日本酒造りに最適な状態にもできるんですよ。

 

酒造りにちょうど良い、お米の状態とは?

 

毎日の食事で食べる炊いたお米は、水分を含んでふっくらしたものがモチモチしていて美味しいですよね。


でも、酒造りにおいては、水分量の多いお米は良いとは言えません。


米粒の外側が硬く、内側には軟らかさが残っている「外硬内軟(がいこうないなん)」の状態がベストだと言われています。


大体50分間、お米を蒸していきますが、後半の約10分は温度を高くして一気に蒸し上げるのも特徴です。


最後の10分間で、表面についた水分を一気に加熱することで、内側の水分が蒸発しきれずに残ることから、外硬内軟の現象が起きます。

 

スパゲッティのアルデンテのように、外側が柔らかくて中に芯が残っている状態とは、別の現象が起きるのですから、ちょっと不思議ですよね。

 

ねばりが強いお米はどうしてダメなの?

 

ねばりが強いお米はどうしても麹が手についてベタベタするので、作業性が良くありません。


醪に入れた段階でも、非常に溶けやすくなってしまいます。溶けすぎると、米に含まれる雑味も溶け出してしまうので、酒の味によくない影響が出てしまうと言われています。


それとは逆に、蒸していてもある程度の硬さがあるお米は、麹が手につくことが少ないため、醪に入れてもすぐに溶けることはありません。


イメージでは30日ほど経っても、ほどよく溶け残っている感じです。


このような状態になるのが、酒造りにおいてベストな蒸し米と言えるでしょう。

 

7.放冷

 

蒸米を空気に触れされることで冷却し、所定の温度に下げることを言います。放冷の方法は、主に2つあります。


1つは、布の上などに、蒸米を広げて自然な形で温度を下げていく「自然冷却法」です。


2つ目は、蒸し米の層に強制的に風を通すことによって、自然冷却法よりも手早く冷やしていく「強制冷却法」です。

 

以上で、お米の下ごしらえの手順です。

 

まとめ

 

今回は、日本酒の原料である「お米の下ごしらえの方法」についてお話をしました。

 

下ごしらえの方法を確認しただけでも、日本酒が完成するまでにかなりの手間暇がかけられていることが分かりましたよね。


日本酒の造り方の続きはまた次回!それでは、素敵な1日を!