「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.22は「大関(おおぜき)」です!
はじめに
「大関」という日本酒はご存知かと思います、かなり有名なお酒ですね。
大関印には由来があり、それは「大関」株式会社の魁精神にも繋がるものといえます。
「大関」は、西宮市にある「灘五郷」と呼ばれる地域に所在しています。
この灘五郷は日本酒の産地として、名高い場所なんです。
付近には、誰もが聞いたことのある酒造メーカーが数々存在しています。
その中でも「大関」はその魁精神で、時代にさきがけた新しいことをし続けています。
その1つの成果が「味醴製法」です。
ここでは、「味醴製法」に関することなど「大関」の情報をまとめてみました。
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魁精神に富んだ「大関」、大関印の由来
「大関」株式会社は300年以上の歴史があります。実に創業は1711年です。
江戸時代、「大関」は当初は「万両」という商標を使っていました。
しかし、当時人気上昇中だった大相撲の「大関」の地位にあやかり、それを新しい酒銘としたのです。
明治33年の大阪場所において、優勝力士に日本酒「大関」が副賞として贈られました。
こうしたイメージ戦略もあり、「大関」は大衆に認知されていったのです。
これが大関印の由来です。
お酒を買って、すぐにそのまま飲める商品、「ワンカップ大関」の開発など、創業以来の魁精神をそのままに、「大関」は、常に時代の先駆者となってきた評価があります。
「ワンカップ大関」は、今や数十種類もあり、大吟醸を含む多くのバリエーションを持っています。
これらの工夫が、今も変わらないヒット商品にさせているのです。
もちろん日本酒「大関」は醸造技術の面でも、秀でています。
特筆すべきは、近年開発された「味醴製法」でしょう。
味醴製法に関しては、詳しく後述しますが、酒造界でも注目の画期的な新醸造技術なのです。
「大関」の魁精神が発揮された、アイデア溢れる期待の製法です。
また、2018年8月には、大関の糖質ゼロも発売されました。
糖質ゼロなのに、辛口かつフルーティな香りが評判になっています。
ダイエット中などで糖質制限している人には、嬉しい知らせですね。
さらに、近年、国際学部の学生と共同開発した、インバウンド向け商品があります。
つまり、訪日した外国人のお土産向け商品ということです。
ワンカップを、日本をイメージしたデザインに作り直すなどの取り組みがされているようです。
酒造りといえば「灘五郷」
「大関」も会社を構える神戸市の一部と西宮市は、酒造り業界では通称「灘五郷」と呼ばれています。
灘五郷は、西郷、御影郷、魚崎郷、そして大関がある今津郷の5つの地域から成り立っています。
古くから、良酒の産地として名高い場所なのです。
室町時代には、すでに酒造りが行われていたようです。
現在でも、日本の代表的な酒造メーカーがこぞって、酒造りの拠点を持っています。
「灘五郷」は、まず名水の産地です。
灘五郷には「宮水」という良水が、西宮神社近くから流れています。
ミネラル成分が多く含まれる良質な地下水です。
ミネラルは、酒造りの原料である酵母の成長を促す働きも持っています。
また、水中に鉄分が含まれていると、酒の風味が悪くなってしまいます。
ですが、宮水は鉄分の含有率も少ないのです。
まさに宮水は、良い日本酒に適した水といえるでしょう。
また立地も良く、酒造りには適した場所でした。
灘五郷の背後には、六甲山を始めとして、山々がそびえています。
その山から下る急流が、水車を廻し、酒の大事な材料である「酒米」の精米を効率的に行うことができたのです。
それまで、精米は足踏みで行われていました。しかし、水車の活用により、多量の精米が早くできるようになりました。
これにより、酒の量産化が可能となったのです。
しかも灘五郷は、大阪や兵庫津に近かったので、酒の原料である良い米が集まりやすい立地条件でした。
酒の大消費地であった江戸へも、灘五郷が面する海路を利用すれば、たいへん便利に輸送できました。
船での輸送の際、清酒は杉の樽に詰めて運ばれました。このとき、酒に杉の木の爽やかな香りが移り、商品の価値をあげました。
また出荷に時間がかかったことから、結果として、酒がさらに熟成したのです。
灘五郷の酒は、江戸での酒の供給をほとんど占めていたほど、人気の酒になりました。
酒造りの新境地へ!味醴製法とは?
日本酒はおおよそ以下のように造られます。
まず、精米した酒用の米を蒸して、麹菌を加えます。
これは、糖分を造るために糖化させるための工程です。
このとき、さらに「乳酸菌」と「酵母」を加えるのです。
「酵母」は糖化させたものをアルコール発酵させるために必要な材料です。
しかし、酵母を加えたあとは、雑菌が繁殖しやすくなります。
そこで、乳酸菌が大事なのです。
乳酸菌を加えておくと雑菌の侵入を防ぎ、しかも酵母の増殖、そしてアルコールの発酵も促進させてくれるのです。
日本酒の造り方は、2種類に大別されます。
1つは「速醸酛仕込み」による酒造りです。
これは現在の一般的な醸造方法です。もう1つは「生酛造り」による酒造りです。
こちらは古くからの製造方法ですが、乳酸菌を一から育てる手間や、醸造のための時間がかかる方法なのです。
ですので、今は、より簡便な「速醸酛仕込み」が酒造りの主流になっています。
しかし、昔ながらの「生酛造り」は、酒の味わいも複雑で、コクがあり、濃厚であると言われています。
「生酛造り」は手間がかかりますが、美味しいお酒造りのためには活かしたい製法だったのです。
この「生酛造り」を現代風にアレンジした製法が、「大関」が発明した「味醴製法」です。
具体的には、酒造りの途中で投入する乳酸菌を一から育てたのと同じような効果が出るような、加え方をしているのです。
加えて、通常は、酵母と乳酸菌を加えたあとは、温度調整もたいへんでした。
雑味を出さないために、あまり低い温度にしすぎると、今度は発酵がすすまないということが起きるからです。
しかし、この「味醴製法」では、非常に強い種類の酵母を造ることに成功したため、低い温度でも発酵し、酒を仕込むことができるようになりました。
昔ながらの手法の良い部分を取り入れながら、現代のテクニックを使う。これが「味醴製法」なのです。
灘五郷が育んだ「大関」の魁精神と「味醴製法」!そして大関印の由来
銘酒の生産地として名高い灘五郷。
そこに本社をおく「大関」は、魁精神にあふれた会社です。
その魁精神があますところなく発揮され、開発された「味醴製法」には驚いた人もいるでしょう。
日本酒の製造は歴史的な手法でなければ、作れないものではないのです。
「大関」は、「糖質ゼロ」の日本酒なども開発しています。
「大関」は、伝統を重んじながらも、従来の酒造りの枠にとらわれない新しい発想をする酒造会社といえます。
まさしく大関印の由来にふさわしい企業なのではないでしょうか。
これを機会に、あなたも革新的な日本酒を体験してみませんか。
いかがでしたでしょうか。今回は、「大関の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ大関を飲みながら、もう一度読んでみて下さいね。
次回は「鍋島」です!鍋島は、辛口ながらも五感を優しく刺激して、馴染んでいくような自然体のお酒として人気を集める日本酒です。
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