「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.21は「松竹梅」です!
はじめに
お酒は好きだけど、日本酒にはあまり興味がないという人は多いですよね。
そんな方でも、「松竹梅」という銘柄を目にしたことがある人は、結構いるのではないでしょうか。
TVCMでもよく目にする「松竹梅」は、日本を代表する日本酒メーカー・宝酒造が製造する日本酒の銘柄です。
1842年に京都で誕生した歴史ある日本酒は、紆余曲折を経ながらさまざまなシリーズを生み出してきました。
日本人に最もなじみの深い日本酒と言っても過言ではない、「松竹梅」が歩んできた道について詳しく紹介していきます。
今まで日本酒を口にすることがなかった人も、飲んでみたくなるかもしれませんね。
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「松竹梅」を守るために支援
「松竹梅」というと、宝酒造が製造・販売を手掛けている日本酒の銘柄ですが、実は宝酒造が誕生させたお酒ではありません。
松竹梅は大正時代、神戸の灘五郷という数々の名酒を生み出した地で、個人が経営する酒蔵で生み出されたお酒です。
とても美味しいお酒と評判でしたが、昭和の時代に入ると、この酒蔵が経営困難に陥ります。
このままでは名酒「松竹梅」が廃れてしまうと考えた宝酒造が、松竹梅酒造を設立し松竹梅の製造を始めました。
その後、松竹梅酒造は宝酒造を離れて独立しますが、「松竹梅」のブランドは宝酒造に残ることとなり、松竹梅シリーズは今でも宝酒造のもとで製造・販売されているのです。
宝酒造そのものは、江戸時代に京都・伏見で清酒造りを始めています。
伏見の地は、おいしい地下水が湧き出るところで、古くからお酒造りには適した土地であると言われていました。
宝酒造は伏見で、日本酒だけでなくビールやみりん、チューハイなどいろいろなものにチャレンジしています。
灘と伏見は「灘の男酒・伏見の女酒」とも言われるほど、酒づくりが盛んな地域です。
灘で生まれた「松竹梅」を伏見にある宝酒造が支援するということは、灘伏見の融合ともいえる画期的なことでもあったのです。
最高級酒「松竹梅」
濃厚な味わいが魅力の松竹梅は、とろりとしたのど越しが評判で、「天下の美酒」と言われたこともありました。
そこで宝酒造は松竹梅の価値を高めるために、販売戦略を練ります。
1930年代当時、灘の高級酒が1升(1.8L)2~3円で売られていた時代です。
そんな時代に、1本(2L)5円という高値で販売したのです。
当然、庶民にはなかなかありつけないほどの高級酒ですが、同時に宝酒造は全国の都市に松竹梅を1杯45銭で飲める酒場を開設しました。
たった45銭で高級酒である松竹梅が味わえると、瞬く間に酒場は大繁盛することになったのです。
全国に「松竹梅」の名を知らしめることに成功した宝酒造は、今度は松竹梅を慶祝のときに飲んでもらおうという戦略をとっていきます。
有名俳優などをTVCMに起用した路線は見事に当たり、松竹梅=慶祝というイメージが定着しました。
順風満帆だと思われた宝酒造ですが、阪神淡路大震災の際には灘工場が大きく被災することになります。
そこで工場を、松竹梅白壁蔵として大幅リニューアルすることにしたのです。
この工場の特徴は、日本酒造りに欠かせない従来の杜氏たちの手による酒造りと、日本酒造りを機械の手で再現した最新式機械による酒造りを両方行っていることにあります。
麹室では、杜氏たちが麹菌を酒米に手作業で植え付けていき、麹を完成させていきます。
この作業は、長年培ってきた熟練の杜氏の感覚によって行われていて、日本酒の良し悪しが決まるのは、杜氏の腕にかかっていると言われているのです。
松竹梅白壁蔵には、この麹づくりを機械で行う製麹機が導入されています。
機械メーカーと共同開発した製麹機は、伝統的な麹造りを、安定してなお且つ大量に造り出せる画期的なアイデアとして取り入れられました。
もちろん、その後に控える酵母作業も、杜氏たちによる手作業と、機械による酒母づくりの両方が行われています。
手作業による最高級の日本酒と、確かな味わいでありながら量産が可能となった松竹梅シリーズは、多彩なラインナップが自慢な日本酒となったのです。
日本酒にスパークリングという試み
日本酒は大の愛好家がいる一方で、お酒好きであってもほとんど口にすることがないという人もいます。
そんな中、誰でも日本酒を楽しめるように考案されたのがスパークリング清酒「澪」です。
シャンパンなどのスパークリング系アルコール飲料は、若い世代にも人気のアルコールですが、従来は日本酒にはこうしたスパークリング系は存在しませんでした。
宝酒造はそこに目を付け、日本酒を新しい層にも楽しんでもらえるようスパークリング清酒「澪」を開発したのです。
フルーティーな味わいのする酒米を選び、女性でも飲みやすいような口当たりにした甘口タイプ、よく冷やすことでと爽やかな口当たりとなる辛口タイプは食事にもあうと大好評です。
日本酒というと酒豪が飲むイメージが強く、アルコール度数も高いというイメージもありました。
そこでアルコールが得意でない人でも楽しめるよう、「澪」はアルコール度数を5%と低く設定しています。
食事と一緒に楽しめる「澪」は、和食だけでなく、フレンチなど洋食ディナーにもあうということで、レストランでも人気のアルコール飲料です。
古い伝統を守りぬく酒蔵も日本には多くありますが、宝酒造のようにチャレンジ精神を忘れない酒造メーカーは、新しい日本酒のファン層を取り込んでいます。
それは国内だけでなく、海外の人たちにも日本酒を知ってもらうチャンスだと考えているからです。
「澪」のように新しい清酒の形から日本酒の世界に入り、そこから杜氏たちによる最高級の日本酒を味わう世界を堪能するというのも、今後日本酒が進んでいく道のひとつではないのでしょうか。
灘と伏見の融合から生み出された「松竹梅」
数々の名酒を生み出した地、神戸・灘と京都・伏見ですが、これらの地を融合させて日本酒造りを発展させたのが宝酒造です。
代表格でもある松竹梅シリーズは紆余曲折を経て、日本では慶祝に欠かせない日本酒となりました。
そして新しい層にもっと日本酒を知ってもらおうと、松竹梅白壁蔵をリニューアルしたのです。
ここでは伝統的な杜氏による日本酒造りと、最新機械による日本酒造りの両方が行われています。
また宝酒造では、スパークリング「澪」のような、新しい発想の日本酒造りにもチャレンジしていて、日本のみならず、海外の人にも日本酒を広く知ってもらおうと取り組んでいるのです。
いかがでしたでしょうか。今回は、「松竹梅の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ松竹梅を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。
次回は「大関」です!大関は、お酒を買って、すぐにそのまま飲める商品、「ワンカップ大関」の開発など、創業以来の魁精神をそのままに、常に時代の先駆者となってきた評価があります。
記事はこちら>>大関の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの? - theDANN media
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