「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.16は「久保田」です!
はじめに
久保田と言えば、お酒好きならもちろん、それほど日本酒に詳しくない、という人でも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
お祝いの品としても喜ばれる久保田は新潟の朝日酒造で造られています。
米どころとしても知られる新潟は水のきれいな地域で、日本酒づくりにも適しているのです。
酒米や水は日本酒づくりには非常に重要なもので、地元でとれたものを原料としている朝日酒造は、恵まれた自然をそのままに、ほたるの生息できる美しくきれいな里づくりを目指しています。
そんな朝日酒造が作る久保田の特徴は淡麗辛口で、久保田寿シリーズと呼ばれる種類があります。
ここでは、久保田について、またその種類についてお話ししていきましょう。
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朝日酒造が誇る久保田。それぞれの種類の特徴
萬寿(まんじゅ)、千寿(せんじゅ)、百寿(ひゃくじゅ)と名付けられている久保田寿シリーズは全部で6種類。
辛口淡麗の久保田寿シリーズですが、それぞれに味わいがあり、特徴があります。
酒蔵のある里づくりに尽力する朝日酒造の、久保田の種類の違いについてお伝えします。
久保田シリーズ最高峰「萬寿(まんじゅ)」
華やかで重厚な香りは上品で久保田の中でも最高峰の萬寿は、速醸仕込みと山廃仕込みのブレンドの調合が絶妙で、日本酒好きがうなるほどの旨さです。
甘味と酸味がちょうどよく、日本酒の優等生とも言えるでしょう。
麹米に精米歩合50%の五百万石に新潟県産米を33%掛けて作られた萬寿は、華やかな香りが特徴で、お祝いの席などにもおすすめで、冷酒、もしくは常温で楽しめます。
スッキリとした味わい「千寿(せんじゅ)」
スッキリとした辛口の味わいが特徴で、喉ごしもさわやかで米の旨みを存分に感じられる日本酒です。
「食事と楽しむ吟醸酒」として造られたお酒で、久保田の淡麗辛口の味を楽しみながら、料理の味も楽しめるのが魅力です。
濃厚な日本酒より、少し軽めの味を選びたいシーンにおすすめ。冷酒や常温の他、ぬる燗でもいいでしょう。
久保田の基本形「百寿(ひゃくじゅ)」
久保田の種類の中でも定番なのが百寿で、スッキリとした辛口が特徴の久保田の基本形です。
久保田を知るならまずは百寿を飲んでみましょう。
香りはおだやかで、ふくらみのある味わい。日本酒の味わいをシンプルに感じたいときにおすすめです。
冷やして飲めばスッキリ、ぬる燗にすればまろやかな味を楽しめます。
4~9月の限定出荷「翠寿(すいじゅ)」
久保田寿の中で唯一の大吟醸の生酒です。さわやかでみずみずしい味わいが出せるのは、加熱殺菌を一切しておらず、低温で貯蔵しているからです。
上品なキレがあり、軽い味わいなのでランチなどにもおすすめです。
4~9月だけ楽しめる日本酒です。
どっしりとした味わい「碧寿(へきじゅ)」
伝統的な山廃仕込みで醸造された碧寿には、乳酸菌パワーが十分に込められています。
日本酒特有のどっしりとした深い味わいと、キレのあるシャープな味わいを両方楽しめる日本酒です。
ぬる燗ならふくらみのある味わいを楽しめるでしょう。冷酒とはまた違った旨みを感じることができます。
ほのかに甘い「紅寿(こうじゅ)」
ほのかな甘みがあり、やさしい味わいが特徴で、久保田の中でも飲みやすいタイプでしょう。
さわやかで清涼感とキレがある純米吟醸酒で、軽さだけでなく、口の中に広がるコクを楽しめる日本酒です。
久保田寿シリーズのほか、個性的なラインナップも魅力です。
「紅寿」が発売された1993年の後、25年ぶりに発売された純米大吟醸が「久保田純米大吟醸」です。
華やかな甘みと酸味が調和したキレのある純米大吟醸で、フルーティな味わいが魅力です。
また、7月限定で出荷される「久保田雪峰(せっぽう)」は、深い味わいのある日本酒。
アウトドア料理に合うお酒の味です。
「爽醸久保田雪峰(せっぽう)」は4月限定出荷で、さわやかな香りが楽しめる日本酒です。
寒造りによる低温発酵と氷温貯蔵で造られ、マスカットのようなフレッシュで華やかな香りが特徴です。
新潟の自然と水を活かした「久保田」
朝日酒造のこだわりは、地元新潟の米と水を使うことです。
「酒の品質は原料の品質を超えられない」と言ったのが、かつての久保田の杜氏です。
この言葉を念頭に、有限会社あさひ農研を設立し、酒米の栽培・研究を推進するとともに、地元の農家のみなさんと協力しながら、最良の米づくりにこだわっています。
酒づくりに欠かせない水は、朝日地内を流れる地下水脈の軟水を利用しています。
軟水を使うと、濃厚でしっかりした日本酒はできませんが、軟水のメリットを活かした、口当たりのよい、淡麗辛口のお酒ができあがります。
土地の恵みを活かし、さらにマニュアルでは伝えられない職人の技によって酒づくりを実践しています。
久保田が誕生したのは1985年、日本ではバブル経済でにぎわっていた時代です。
県内では最多数量を誇っていた朝日酒造ですが、大手酒造メーカーがリーズナブルな価格で提供する日本酒が人気を呼んでいました。
そのリスクを回避するため開発されたのが、「久保田千寿」「久保田百寿」で、翌年には「久保田萬寿」が発売されました。
日本通の中でも50代に人気のある久保田ですが、華やかな香りやスッキリとした味わいの「久保田純米大吟醸」はより若い世代をターゲットに造られています。
久保田の中の種類の違いは、幅広い年代に愛飲される理由となっているのです。
地元新潟の米と水を活かした酒づくりをしている朝日酒造は、地域との共生、そして環境保全にも尽力しています。
ほたるが生息しやすい環境を作る「ほたるの里づくり」をはじめ、もみじ園の整備に協力し「もみじの里づくり」を実現するほか、公益財団法人こしじ水と緑の会を設立し、自然環境の保全をサポートしています。
里づくりによって生まれる淡麗辛口。久保田の中の種類の違いは幅広い年代に愛される
新潟の米と水の特徴を生かして造られた久保田は淡麗辛口が魅力です。
日本酒を愛してやまない日本酒通の人たちからも高い人気を誇る久保田には、さまざまな種類があります。
久保田寿シリーズをはじめ、久保田の中の種類の違いを知ることで、好みに合った日本酒を見つけることができるでしょう。
さらに、それぞれの久保田は香や味わいの深さ、喉ごしが異なるため、料理に合わせて選ぶのもおすすめです。
淡麗辛口の久保田を誕生させるには、地元の自然環境が重要です。
朝日酒造は自然環境を守るための里づくりにも尽力しています。
美しい自然が守られている限り、久保田を味わえる楽しみはこれからも続くでしょう。
いかがでしたでしょうか。今回は「久保田の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ久保田を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。
次回は「月桂冠」です!月桂冠は、日本酒の大企業である月桂冠は、創業380年を超える超老舗です。
記事はこちら>>月桂冠の日本酒を徹底解説!伝統と現代の技術による味の特徴とは - theDANN media
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