月桂冠の日本酒を徹底解説!伝統と現代の技術による味の特徴とは
「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.17は「月桂冠(げっけいかん)」です!
はじめに
日本酒の大企業である月桂冠は、創業380年を超える超老舗です。
月桂冠という酒銘の由来は、勝利と栄光のシンボルである月桂樹でつくった冠から来ており、業界ナンバーワンの日本酒を目指す志をこめて付けられたものです。
長年蓄積したノウハウで、数々の酒を開発し、日本酒の種類の多さは限定酒を含めて50種以上にもなります。
なかでも注目すべきは、独自の製法で醸造された糖質0の日本酒。
100gあたり糖質が0.5g、カロリーは通常の25%カットと、時代に合った日本酒を生み出しています。
月桂冠が所有している酒蔵の数は、京都伏見にある昭和蔵(製造本部)と大手蔵の2カ所です。
ここでは、そんな老舗、大手の酒蔵である月桂冠について詳しく紹介していきます。
【今なら期間限定で、初回送料0円!】
気軽にワインと本格的なペアリングが楽しめるワイン通販「the new(ザ・ニュー)」
創業380年!月桂冠の歴史
月桂冠は、1637年、創業者である大倉治右衛門が京都伏見にて創業しました。
明治時代には、防腐剤なしのびん詰日本酒を発売します。
それまでの日本酒は樽に詰めるのものが主流だったため、革新的な動きと言えるでしょう。
さらに1919年にコップ付き小瓶を開発します。
徳利に御猪口がついている感覚で、その場で日本酒が飲めることから、「駅売りの酒」として世間に広く知られました。
また、四季醸造システムによって日本で初めて年間を通した酒造りに成功し、1984年には業界初の、常温で流通可能な生酒を発売します。
2000年代に入っても革新的な試みは続き、2008年には業界初の糖質0の清酒を発売しました。
酒銘の由来である勝利と栄光のシンボルである月桂樹の冠に込められた、業界ナンバーワンの誇りと熱意が、業界初の試みを次々と生み出しているのかもしれません。
伝統と現代の技術の融合!月桂冠の日本酒の作り方
月桂冠の日本酒の作り方は、長年の歴史と革新的なアイディアによって確立されています。
まずはじめに行うのは精米で、普通酒では3割、吟醸酒では4割以上磨いた米を使用します。
全体の6割程度しか使用できない贅沢な米の使い方が、吟醸酒が高級なものとされている所以です。
精米が終わると、ぬかを水で洗い流し(洗米)、数分から数時間水に漬けこみます(浸漬)。
その後、甑(こしき)や連続蒸米機を使って米を蒸します。
蒸した米に麹菌を振りかけて、約2日間培養すると、酵素が分泌されて、麹ができます。
ここまでの工程でできた、日本酒になる前の発酵状態のものを醪といいます。
麹を作ったら、次は酒母づくりです。
酒母とは、アルコールを発酵させる酵母を培養して、大量に増殖させたもののことを呼びます。
いよいよ醪をアルコールへと変化させる工程です。
前の工程でできた酒母、仕込水、それから蒸した米。
これらをすべて発酵タンクに仕込み、30日間ほどかけて発酵します。
米のデンプン成分が麹の酵素によってブドウ糖へと糖化され、そのブドウ糖は酵母の力によってアルコールへと変えられていきます。
発酵が終わり、熟成したモロミは圧搾(しぼること)して、酒と酒粕に分離します。
そして60から65度の低温で加熱します。
加熱することで、微生物が殺菌できるとともに熟成度を調整し、日本酒を長持ちさせることができるのです。
生酒と呼ばれる酒は、この火入れを行いません。火入れを終えると、貯蔵タンクにて貯蔵されます。
貯蔵の期間は、大体6か月から1年間ほど。貯蔵された酒は、熟成してまるみのある調和のとれた味わいへと変化していきます。
熟成を終えた酒の味をひとつひとつ確認して、それぞれの酒の持ち味が生きるよう調合していきます。
調合を終えた酒は、最後に容器詰めされます。
ここでもセンサーや目視によって厳重に検査された後、無事出荷となります。
多くの工程と長い時間を経て、ようやく消費者のもとに届く日本酒。
製造工程を知っていると、そのおいしさはより一層増すはずです。
また、稼働している月桂冠の酒蔵の数は2カ所ですが、以前稼働していた酒蔵の1つを博物館として改装しており、日本酒の作業工程について、もっと詳しく学ぶことができます。
お酒のマナーを知って楽しもう!おいしい日本酒の飲み方
日本酒を飲むうえで月桂冠が推奨しているのが、「和らぎ水」と呼ばれるもの。
これは洋酒を飲むときのチェイサーと同じで、日本酒を飲みながら、用意しておいた和らぎ水をときどき飲むことです。
和らぎ水を間にはさむことで、口の中が爽やかになり、日本酒と料理の味がずっと新鮮に美味しく楽しめます。
また、お酒があまり強くない場合は、氷を入れていわゆる「オンザロック」でキンキンに冷えたものを楽しんだり、おいしい水をちょっぴり入れた水割りで飲むのもおすすめです。
アルコール度数が下がり、酔う速度がゆるやかになるので、お酒に自信がない人でも安心して楽しむことができます。
また、大人のたしなみとして、お酒のマナーを知っておくことも大切です。
まずはじめに、お酒は自分のペースで飲むこと。
周りに勧められたからといって、無理な飲み方はしないようにしましょう。
一緒にお酒を飲む相手にも、無理に勧めたり、自分と同じペースで飲むよう強要するのはやめましょう。
さらに、末長くお酒を楽しむためには、肝臓に気を使った飲み方を心掛けましょう。
料理を食べながら少しずつ飲んだり、最低週2日は休肝日を設けることも大切です。
続いて、日本酒好きなら知っておきたいのが、冷酒のおいしい飲み方です。
冷酒に向いているお酒は、生酒、吟醸酒、濁り酒、しぼりたての酒などです。
高級な日本酒ほど冷酒で飲んだ方がいいのでは、と思うかもしれませんが、価格帯よりも味わいによって冷やすか温めるかを決めることを月桂冠では推奨しています。
種類の多さを誇る月桂冠の日本酒は、冷酒に合うものから燗酒に合うものまで、幅広く作られています。
また、冷酒は冷蔵庫で冷やすのが一般的といわれますが、グラスに氷を浮かべてオンザロックで楽しむのも、粋な飲み方です。
対して燗酒に向いているお酒は、大吟醸や古酒といったまろやかな味わいのものと言われています。
吟醸酒などの繊細な味わいのお酒は、熱燗にするよりも人肌燗(35度)からぬる燗(40度)の低めの温度で飲むのがおすすめです。
燗酒を美味く飲むには、温め方が肝心です。
陶器の徳利に入れた酒を電子レンジではなく湯煎で温めましょう。
また、やや広口の盃で飲むと香りがふわっと広がります。
温度を熱くしすぎないこともポイントで、おいしい燗ができる温度として45度の上燗がおすすめです。
一度は味わってみてほしい、信頼と実績の月桂冠ブランド
創業380年の長い歴史と、職人の手によって手間ひまをかけて作られた、月桂冠の日本酒。
月桂冠の歴史と製造工程について知り、お酒のマナーや美味しい飲み方について勉強すると、日本酒についてもっと深く知って、もっと色々なお酒を飲んでみたくなりませんか?
日本酒の世界は奥が深く、酒造や産地によってこだわりもさまざまです。
探究しても果てがなく、大人の趣味として楽しむにはもってこいです。
さらに、日本酒の魅力を知ると、国内を旅行する楽しさが何倍も増します。
これを機に、日本全国のおいしい日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか。今回は「月桂冠の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ月桂冠を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。
次回は「剣菱(けんびし)」です!剣菱(けんびし)は、濃醇旨口と評されていて、多くのファンを生み出すもととなっています。
記事はこちら>>剣菱(けんびし)の日本酒を解説!濃醇旨口の味の特徴やこだわり製法 - theDANN media
theDANN mediaでは、世界中のワインと料理を掛け合わせた新しいワインのストーリー「the new(ザ・ニュー)」をご提供しております。
【今なら期間限定で、初回送料0円!】
気軽にワインと本格的なペアリングが楽しめるワイン通販「the new(ザ・ニュー)」
ソムリエ様が厳選した2000円から購入できる赤・白・泡のワインと、ワインにぴったりなお料理のレシピ(無料)をお楽しみいただけます。
レシピ本は、ワインソムリエ様とフードコーディネーター様が考案した本格的なお料理。
ワインとのペアリングによって、素晴らしいマリアージュが堪能できます。
いつものディナーが、まるで旅行先でふと入ったレストランにいるような楽しいひとときになるでしょう。
パートナーの方やご友人の方と、気軽にペアリングを楽しめます。
ぜひ、the newによる新しいワインのストーリーをお楽しみください。