the newのワインセレクトとペアリングを手掛けるソムリエの富田葉子さん。今回は、富田さんがソムリエになられるまでの経緯や、ソムリエとして大切にしていること、the newのお仕事への想いを伺いました。
the newの提案するペアリングには、「おいしいお酒・おいしい料理が大好きな気持ちは負けない」という富田さんの情熱が込められています。そんなペアリング誕生の裏側についても語っていただきました。
- 苦手だったワイン。気がつけばワインの奥深さに魅了されソムリエへ
- おいしいお酒、おいしい料理、そして人との出会いがソムリエとしての喜び
- 個性がありながら合わせやすい。絶妙なバランスにこだわったthe newのワイン
- 2人のプロフェッショナルの才能と情熱が創り上げる、極上のペアリング
- 「よき料理、よきワイン」のペアリングがくれる幸せをぜひ体験して
苦手だったワイン。気がつけばワインの奥深さに魅了されソムリエへ
私は10代のアルバイト時代から飲食店に勤めていたので、「料理とお酒」はずっと身近な存在でした。飲食店に就職し、職場でお酒を飲む機会もありましたが、正直ワインはあまり得意ではありませんでした。シャンパンは炭酸がきついし、白ワインは酸っぱいし、赤ワインは渋いし、「ちょっと大人な味で苦手だな」と思っていたんです。ところが、年が経った20代後半から「ワインっておいしいな」と思い始めて。もともと私はハマり症な性格で、おもしろいと思ったらのめり込んで勉強するタイプです。そこから、飲食店で働きながらワインの勉強を始めました。
勉強を始めてみたら、お酒のことだけでなく、生産地の地理・気候風土・歴史・食文化・宗教など、いろいろなことを理解しなければならないことが分かって。「なんて奥深い世界…おもしろい!」とますますのめり込みました。ちょうど20代後半で人生について悩んでいた時期。「手に職をつけた方がいいかな」「資格とか取った方がいいかな」と思っていたこともあり、勉強の末、ソムリエ資格を取りました。
その後、レストランに勤務してソムリエとしての経験を積みました。現在の仕事は、レストランの現場に立つことはほとんどなく、ワインスクールの講師としてソムリエになりたい方々をサポートすることが中心です。スクールで授業をしたり、生徒さんと関わったりするのが楽しく、とてもやりがいを感じています。
おいしいお酒、おいしい料理、そして人との出会いがソムリエとしての喜び
ソムリエとしての私の強みは「食いしん坊」なことです(笑)。「おいしいお酒・おいしい料理が大好き」という点は、人に負けないと思っています。子どもの頃から食べることが好きすぎて、肥満児だったくらいです。ただでさえおいしいお酒が、料理と組み合わせることで何倍も何十倍もおいしくなる。ペアリングの際は、そういった相乗効果の生まれる組み合わせを心がけていますね。
ソムリエの先輩方がよくおっしゃるのが、「ソムリエとしてペアリングを考えるうえで大切なのは、ワインよりも料理の知識」ということ。本当にそうだと思います。料理の知識を得るために、普段からジャンル問わずいろいろなお店に食べに行くようにしています。ワインスクールの生徒さんは飲食店にお勤めの方も多いので、生徒さんが働くお店にも足を運びます。生徒さんが働いている姿を見られて私も嬉しいので、一石二鳥です(笑)。
「おいしいお酒」「おいしい料理」だけでなく、「人」も私にとって重要なキーワードです。ワインを作る生産者さんや野菜を作る農家さん、the newのお仕事ではフードコーディネーターのくろださんや、ワインを購入して料理を作ってペアリングを楽しんでくださるお客様。そういった人たちとワインを通じて出会えることが何より嬉しいです。
個性がありながら合わせやすい。絶妙なバランスにこだわったthe newのワイン
ペアリング提案の流れとしては、まず私がワインを選びます。ご家庭で楽しむのにちょうどいい価格帯で、いろいろなワインを楽しんでいただけるよう、なるべく産地や品種が違うものをセレクトしています。ちゃんと個性がありながらも料理に合わせやすいバランスにこだわっているので、「そんなに飲みきれない」という方も飲み残しまで楽しんでいただけますよ。
次に、ワインにペアリングする複数の料理を考えるのですが、「あれも合いそう!これもおいしそう!」とどんどん思い浮かぶんです(笑)。1本のワインを、和食に合わせてもフレンチに合わせてもいいわけで、それができるのがお家でペアリングを楽しむメリットですよね。考えた料理名をフードコーディネーターのくろださんにお伝えして、くろださんがレシピを作るという流れです。
「このソースとこのソース、どちらにしましょうか」といった料理の細かい部分は、くろださんと打ち合わせをします。その他にも、「一般の方が作るので、下処理が難しいイカではなく海老にできないか」など、くろださんのご提案でメイン食材を変えたり、さらにワインを選び直したりすることもありますね。
ワインを選ぶ時に、「甘じょっぱい系に合いそう」「ハーブ系に合いそう」といった予想はしますが、実際にワインと料理を試してみると、想像の何倍もすばらしい!ということもあります。その時は本当に感動しますね。反対に、合わせてみて「あのワインの方が合うね」とワインを変えることもあります。私としては、自分の舌で確認して納得したものを提案したいので、ここまで徹底できるthe newの仕事はソムリエとしてありがたいと思っています。
また、私が心から「大好き!」と思えるワインだけを選んでいます。今回、特におすすめなのがアンヌ・ボワッソンのブルゴーニュ・ブラン。これが5,000円は安い。1万円以上はする味です。エビの上海炒めとのペアリングがおすすめなので、ぜひお試しください。
2人のプロフェッショナルの才能と情熱が創り上げる、極上のペアリング
どのペアリングも自信を持っておすすめできるのですが、地質学者のペドロ・パッラさんが手がけた、スパイスという歴史の古い品種を使ったチリワイン「ヴィニスタ 2019 ペドロ パッラ イ ファミリア」がすばらしい。2,000円しないお手頃価格で、甘じょっぱい味に大体よく合います。まさに「一家に1本」のワイン。中でも「もも肉と長ねぎの焼き鳥」とのペアリングは会心でした。
「やきとり」にもいろいろ選択肢がありますので、「脂があった方が合うのでモモ肉にしましょう」「ネギはどうしましょうか」など、くろださんと細かいやり取りをしました。軽めの赤ワインの中にグリーンの感じもあるのでネギ間にしたところ、それがバッチリ!お肉だけよりネギ間にしたことで、完璧なペアリングになりました。
「スモークサーモンのムース」は、最初はサーモンをカルパッチョにするか、ムースにするかをくろださんと相談していて。スパークリングにも合わせる予定だったので、泡のクリーミーさに合うムースにしました。ムースにはあえて生クリームを入れず、サワークリームとレモン汁を使ってワインの甘酸っぱい感じに合うようにしています。
ムースにくろださんが添えてくださったピンクペッパーやディル、ラスクがいい仕事をしているんです!合わせたロゼのスパークリングにもピンクペッパーのニュアンスがあるし、バゲットの香ばしさがスパークリングにとてもよく合います。もう1本ペアリングしたゲヴュルツトラミネールのスパイシーさには、ディルのハーブの感じがぴったり。見栄えの面も含めて料理に添えられているものに、ワインに合うニュアンスが含まれているんです。くろださんのセンス、さすがだなと思いましたね。
ヴィニスタ 2019 ペドロ パッラ イ ファミリアの詳細はこちら
「よき料理、よきワイン」のペアリングがくれる幸せをぜひ体験して
「このワインに合わせるのは、どんな料理がいいですか?」とよく質問をいただきます。料理といってもいろいろあるので、なかなか一言で語るのは難しいと思っています。ワインショップのサイトなどでも、「シーフードに合います」といったざっくりとした提案はありますが、the newのように細かいレシピを紹介しているところは見かけません。the newのコンセプトは、まさにお客様が求めているものじゃないかなと思っていますね。
私の好きな言葉に、アンリ4世の「よき料理、よきワインがあればこの世は天国」という言葉があります。まさに「その通り!」と思っていて(笑)。ワインと料理、どちらかだけでもおいしいのですが、両者が適切に合わさることでおいしさが膨れ上がるんです。ワインに詳しくなくても、料理が得意でなくても、the newを利用していただくことで、お家で簡単においしくて優雅な時間が過ごせます。皆様に最高のペアリングをぜひ体験していただきたいです。
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