theDANN media

theDANNは、「語らい、愉しい」をテーマに、お酒のメディア運営しています。吟醸、クラフトビール、ビオワインなどこだわりのあるお酒を中心に誰もがカンタンに楽しめる情報を発信しています。

menu

醸し人九平次の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?

醸し人九平次の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?|theDANN media
「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。

 

これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」 に記載してあるので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

No.5は「醸し人九平次」です!

はじめに

 

醸し人九平次は、1997年、衰退の一途を辿る日本酒業界を復活させるべくデビューしたニューカマーです。

 

蔵元は、愛知県名古屋市緑区大高町に本店を構える萬乗醸造(1789年創業)で、その15代目である久野九平次氏によって旗揚げされました。

 

同級生で杜氏の佐藤彰洋氏らとハイクオリティな作品をリリースし続けています。

 

「ワインはブドウの品種や収穫年で選ばれ、日本酒は銘柄が最優先される」という現状を克服しようと、強い思いを1本1本にこめてきました。

 

今回は、日本酒造りの固定概念や既成概念を打ち破りたいという九平次氏の理念を紹介しながら、こだわり続ける米つくりや世界に挑んだ活動について解説します。

 

 

 

 

 

理念を信じて世界へ

 

醸し人九平次は、上質な作品をつくるための美意識を持ち、真摯に挑むという姿勢を持ち続けています。

 

それに加えて「本質と先見性」という独特の理念を掲げ、こだわってきました。

 

本質の追求

 

日本酒とは何かというシンプルな問いに答えようとすると、日本酒が本来持っている魅力や役割に突き当たります。

 

それが本質の追求であり、それこそが日本酒造りを手掛ける者としての使命だと考えているのです。

 

その問いは、当然素材にも向けられ、なかでもこだわったのが米でした。自前の田を持ち、管理し、米を育てる蔵元はほとんどいません。

 

しかしこれまでの酒造りの概念を転換させなければ、過去の作品以上の何かは生み出せない、

 

日本酒の新しいファンを獲得することも夢物語で終わってしまうという意識のもと、農業生産法人「アグリ九平治」を設立しました。

 

現在、播磨地域の北端・黒田庄町に2ヘクタールの自社田を所有しています。黒田庄は山田錦を育てることができる稀有な場所です。

 

山田錦は数ある酒米のなかでも最高品種と称されていますが、栽培条件に適した場所が少ないことでも有名です。

 

しかも、他品種よりも背丈が高いため、水や肥料の微妙な調整を誤ると風雨で倒れやすくなってしまいます。

 

難しい品種だからこそ、収穫された山田錦はベストな出来であり、栽培に成功したときの喜びはひとしおです。

 

そんな自家栽培された山田錦だけで仕込まれたのが「黒田庄にうまれて、」という銘酒です。

 

先見の明

ほかにも品種や精米歩合にこだわり抜いた作品が数多くあります。そこには、もうひとつの理念である先見性がこめられています。

 

リリースされる作品は、いまだけでなく、将来の日本酒ファンを喜ばせるものでなければならないと考えているのです。

 

米つくりから始めるというこだわりも、素材の本質を追求し、未来の作品を支える米をつくりたいという思いのあらわれです。

 

九平次の理念を追い求めれば、きっと日本酒の人気が再興すると信じているのです。

 

素材へのこだわりという意味では、水への思い入れも強く、仕込み水は長野県まで汲みに出向くという徹底ぶりです。

 

醸し人九平次を旗揚げしてからは、酒造りとは何かという点から見詰め直し、手間を惜しまないことをみずからに課しました。

 

こだわりの米はしっかりと手で洗います。入念に酵母を仕込むだけではなく、機械に頼らず1本ずつ瓶に詰めていくという方法にあらためました。

 

頑なに理念を守り、米つくりに徹し、手作業へと切り替えた結果、ミシュランガイドに認定されている三ツ星レストランのワインリストに載せられました。

 

努力は実り、JALのファーストクラスでも提供され、日本酒から「SAKE」を代表するワールドブランドへと成長しています。

  

できることは何でもやる

 

ワイン 日本酒 醸し人九平次

(画像:醸し人九平次公式HP)

 

高度成長期には売り上げを伸ばしていた日本酒も、1980年代に入ると需要を減らしていきます。

 

最大の原因は、若い層のファンを獲得できなかったことにあります。

 

言い換えれば、若い層のファンを獲得する商品開発を進めてこなかったツケが回ってきたということです。

 

スタイリッシュで口当たりの良い商品が支持される中で、日本酒のブランディングは遅れに遅れ、アピール性の強い商品には太刀打ちできなかったのです。

 

素材へのこだわり、製造方法の見直し、新たなパッケージデザインとイメージ戦略の構築、といった大改革が迫られていました。

 

業界が生まれ変わらなければならないというタイミングで産声を上げたのが「醸し人九平次」だったのです。

 

課せられたテーマは単純明快かつ重大でした。

 

どうしたら日本酒離れを止めることができるのか、どんな作品を生み出せば新しいファンを獲得できるのか、というものです。

 

斜陽化寸前の日本酒業界を復興させるための最重要課題でした。

 

煩悶を続けていたとき、ひょんなことからパリと縁ができました。

 

手作り感が受け、思わぬ高評価を受けることになったのです。

 

この出会いが運命の変わり目でした。

 

同じ醸造酒であるワインの聖地であるフランスで成功すれば、その評価を日本へ逆輸入することができるのではないかと思いついたのです。

 

最良の日本酒を造るためならなんでもやるという気概で、ワインへの挑戦が始まりました。

 

ワイン造りを学ぶべく、フランスのブルゴーニュ地方にあるモレ・サン・ドニ村で醸造所を取得します。

 

その後は、現地に数ヘクタールの自社畑も取得し、収穫したブドウでワインを造っています。

 

フランスでのこだわりはワインだけではありません。

 

2014年から、プロバンス地方にあるCAMARGUE(カルマグ)で地元の米農家や農業試験所の協力を得て、米の栽培をおこなってきました。

 

フランスの固有品種「マノビ」を収穫し、日本へ輸入しています。

 

その現地米を使い、日本の蔵で醸造した「醸し人九平次 CAMARGUEに生まれて、」がリリースされました。

 

先に進まなければイノベーションは起こせない、と考え、未来のためにすべきことを突き詰めた結果です。

 

将来も愛される作品をつくるには、現代でどんな試行錯誤を繰り返さなければならないのかを自覚する必要があります。

 

また、過去の何が間違っていたのかを冷徹に判断できる感性も必要です。

 

醸し人九平次は、そうした未来からの逆算にこだわった作品づくりにまい進しているのです。

 

 

ホンモノを味わう秘訣

醸し人九平次 日本酒 

(画像:醸し人九平次公式HP)

 

醸し人九平次が用意しているラインナップは、米の品種と精米歩合にこだわっています。

 

世界という華やかな舞台が似合う上品さ、通を唸らせる優雅さ、オリジナリティとノスタルジックな風味を感じてもらえる創意工夫が徹底されています。

 

こだわりは「つくり方」だけではありません。

 

こだわってつくっているからこそ、より美味しく感じられる方法で飲んでほしいと強く願っています。

 

飲み方のポイント①温度

 

蔵が勧める飲み方のポイントその1は「温度」です。日本酒の風味は温度によってがらりと変わります。

 

言い換えれば、温度によって楽しみ方を工夫できる特徴があるということです。日本酒を味わい尽くすには、温度と温度変化への知識と理解が必要になります。

 

「熱燗」「ぬる燗」「人肌」「常温」「冷や」など、様々ありますが、同じ「冷や」でも5℃なら「雪冷え」、10℃は「花冷え」と呼ばれるほど味に変化が起こります。

 

常温は15℃~20℃ほどですが「涼冷え」といって、本醸造や純米酒などのタイプによって味の引き立ち方に差が出ます。

 

また、その日の気温や湿度にも影響を受けるため、一定の温度を保つことは難しく、口にするたびに少しずつ変化しています。

 

温度が低い場合は清涼感が強く、温度が高いと米や麹の甘味がより深く、アルコールの強さも感じられるようになります。

 

舌や喉を包みこむような滑らかさを味わいたいなら低温を、揮発することによって高い香りを堪能したいなら高めの温度設定にすればよいということになります。

 

醸し人九平次で勧めている温度は12℃程度です。

 

ラインナップに共通しているのは口当たりの良さ、華やかさ、芳しさ、そして味わい深さです。

 

それらがひとつも損なわれることなく、しかも、互いに影響し合ってより美味く感じられる温度だと自負しているからです。

 

飲み方のポイント②開栓のタイミング

 

ポイントその2は開栓による変化です。

 

日本酒は、空気に触れることでも変化します。開栓後は時間の経過で風味を変えていくのです。

 

開栓したばかりのときは、謳われた香りや味わいとは違った印象を持つということがしばしば起こります。

 

実は、空気と触れ合うことで日本酒は持ち味を完成させるのです。その意味では、開栓前は成熟し切っていないということになります。

 

栓を開けることで、空気に触れ時間の経過を利用して、自分好みの味を見つけるという楽しみ方もあるのです。

 

飲み方のポイント③酒器

 

ポイントその3は、どんな酒器をセレクトするかという点です。

 

陶器、ガラス、ステンレスなど様々な酒器があり、形状も多種多様です。

 

冷や、常温、熱燗、といった温度によって酒器を変えるという人は多いでしょうが、醸し人九平次が勧めている12℃程度の温度に適していて、より美味しさを楽しめるのはワイングラスですがおすすめです。

 

同じ醸造酒であり、芳醇な香りと熟した風味を堪能するための酒器ですから、日本酒の特徴も最大限に引き出してくれます。

 

イノベーションはこだわりから生まれる

醸し人九平次 日本酒 イノベーション

(画像:醸し人九平次公式HP)

 

醸し人九平次が表現しようとしているのは、「つくる」ということへの本能的な追求であり、日本酒造りに携わる者としての未来への責任です。

 

固定概念や既成概念を疑うことからはじめ、田んぼや米つくりにこだわり、ワインの製造にさえヒントを求めてきました。

 

本質を見誤らず、先見性のある作品を生み出せば、ワインと同じように、日本酒も銘柄より素材で選ばれる時代が来ることを信じています。

 

だからこそ、ワイングラスでじっくりと味わえる最高品質の作品をつくり続け、ひとりでも多くの日本酒ファンを増やし、業界を盛り上げるために尽力しています。

 

世界が注目する「SAKE」界の新星から今後も目が離せません。

 

いかがでしたでしょうか。今回は、「醸し人九平次の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について、書いてきました。

 

醸し人九平次を飲みながら、ぜひもう一度読んでくださいね。

  

次回は「農口尚彦研究所」です!

農口尚彦研究所の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの? - theDANN media

 

f:id:thedannposts:20190812154717j:plain

 

 

おすすめ記事