「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.27は「酔鯨(すいげい)」です!
はじめに
高知県にある酔鯨酒造が製造している日本酒「酔鯨」は今や高知だけでなく東京のスーパーやコンビニでも手に入るメジャーな地酒となりました。
元々高知の地酒は地元料理との相性が良いことを重視して造られますが、酔鯨も料理との相性が良い食中酒と言われており、香りが穏やかで飲みやすく、普段日本酒を飲まない層や女性からも高い支持を得ています。
現在では日本国内だけでなく「enjoy sake life」をテーマに世界進出も目指していて、注目度が高い地酒と言えるでしょう。
今回は、そんな普段日本酒に馴染みがない層からも人気が高い酔鯨の特徴や製造方法などについて解説します。

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こだわり抜いた水・米・酵母から造られる風味豊かな日本酒
酔鯨は旨味がありながらもキレがあり、香りも穏やかで食事を引き立てる食中酒であるのが特徴です。
元々土佐においてお酒は食事と一緒に楽しむものと考えられていることから、高知の地酒はどれも高知の郷土料理との相性を重視して造られます。
高知は自然に恵まれた土地であり、山の幸も海の幸もたくさんとれるので、郷土料理も食材そのものの風味を生かしたものが中心です。
そのため、高知の地酒は食事との相性を考えて甘すぎたり辛すぎたりしない絶妙な風味が求められます。
酔鯨は高知の地酒の特徴である甘すぎず辛すぎずの絶妙な加減を実現しており、思わず箸が進んでしまう食中酒であることから、日本国内で高い評価を受けています。
酔鯨造りのこだわりは素材選びにあります。
仕込み水だけでなく、酒造りに使用する機材を洗う水などにも高知市を流れる鏡川の湧き水を使用していて、酔鯨のキレの良い舌触りは鏡川の水のおかげと言えるでしょう。
鏡川の湧き水は平成20年に環境省が選んだ「平成の名水百選」にも選ばれており、新鮮で品質も良いことで有名です。
そんな鏡川の水を使った酔鯨は時間の経過による品質の劣化も少ないと言われており、鏡川の水は酔鯨造りに欠かせません。
酔鯨は西日本を中心に日本全国から酒米を取り寄せて製造を行っています。
酒米も日本酒の風味を決める重要な材料であり、酔鯨では1つの種類に対して同じ品種・同じ精米歩合の酒米しか使用していません。
それに加え、酔鯨においては、大吟醸だと精米歩合が40%以下、吟醸酒だと50%以下、そして純米酒だと60%以下と決められています。
このように通常の日本酒と比べて精米歩合を下げることで酒米が持つ旨味を存分に楽しめる日本酒となっています。
また、日本酒造りに欠かせないのが酵母です。
酔鯨では酵母に熊本産のKA-1と呼ばれる酵母を使用しています。KA-1は醗酵力が強いことで知られており、原料が持つ風味を活かした日本酒造りに欠かせない酵母と言われています。
基本的に日本酒は寒い冬の時期に仕込みを行うので温暖な土地である高知県は酒造りが難しいです。
そこで酔鯨では製造工場の温度管理を徹底的に行うことで、安全かつ良質な日本酒の製造を実現しています。
特に麹をつくる際の醗酵は日本酒の酸味に大きな影響を及ぼします。
そこで入念な温度管理が行われた環境下で酒造りを行うことで米がしっかり醗酵され、程良い酸味が引き出されます。
また、仕込みを大量に行うと仕込みを行った時期によって風味が変わってしまいます。
そこで酔鯨では同一の質の日本酒を造るために、仕込みの量を少量にしており、いつの時期でも同じ風味の酔鯨が楽しめます。
このように酔鯨の製造にあたっては使用する素材を厳選するだけでなく、酒造りの環境管理や使用する機材の管理も徹底的に行われており、かなりの手間と熱意が込められた日本酒と言えるでしょう。
50年以上の歴史を持つ日本酒
酔鯨を製造している酔鯨酒造は1872年に酒造業を開始しており、実質100年以上の歴史を持つ企業です。
酔鯨の製造を始めたのは1969年のことであり、当時は高知県長浜市にある長浜蔵のみで製造を行っていました。
しかし、四国から徐々に販売規模を拡大していくにつれて長浜蔵1か所だけでは製造が追いつかなくなり、2018年に土佐蔵が完成したことから、現在は長浜蔵土佐蔵の2か所で製造を行っています。
酔鯨の中でも長浜蔵では手軽に手に入る価格帯のもの、土佐蔵ではハイエンド商品を中心に製造しており、土佐蔵では酔鯨をはじめとする数種類の日本酒が試飲できる工場見学も開催されているので是非日本酒に興味がある方は訪れてみると良いでしょう。
ちなみに「酔鯨」という名前は酔鯨の製造地である土佐の15代目藩主山内容堂の別名「鯨海酔候(げいかいすいこう)」が由来とされています。
鯨海酔候は「鯨のように酒を飲む殿様」という意味を持っています。その名の通り、山内容堂はかなりのお酒好きであり、幼い頃から勉強をせずにお酒ばかりを飲んでいたそうです。
このようにかなりの酒豪である鯨海酔候が由来となった酔鯨は食事と共にいくらでも飲めてしまう飲みやすいお酒として現代においても愛されています。
「enjoy sake life」で酔鯨を世界に発信
2000年代に入って世界中で日本酒ブームが起こり、今や日本酒は「sake」という名前で世界中の人から親しまれています。
そこで酔鯨酒造では「enjoy sake life」をテーマに日本酒造りを行っています。
食事との相性を考えたうえで製造される酔鯨は高知の郷土料理はもちろん日本料理だけでなく海外の料理との相性も良いです。
そこで、酔鯨は国内外に酔鯨を知ってもらうためにenjoy sake lifeの頭文字を取ったESL会というイベントを定期的に開催しています。
ESL会では高知の郷土料理・イベント開催地の地元料理と共に酔鯨を楽しむことができます。
それ以外にも日本酒の楽しみ方を教えてくれるワークショップや利き酒会など、より日本酒が食生活の一部となるようなイベント内容となっているので参加してみると良いでしょう。
食事と共に楽しめるサッパリとした日本酒
酔鯨はお酒に馴染みのある土地高知県のお酒の特徴である食事との相性の良さを重視した日本酒です。
ただ食中酒として食事と相性が良いだけでなく、酒米がもつ甘さや水のさっぱり感など素材が持つ風味・舌触りを存分に引き出しており、お酒だけでも十分に楽しめます。
また、酔鯨は近年では「enjoy sake life」をテーマに世界展開にも力を入れており、アメリカを中心に徐々に世界的な知名度も評判も上がりつつあります。
そのため、現在は手軽に手に入れることができますが、いずれ入手困難になる可能性も高く、今のうちに飲んでおきたい日本酒と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。今回は、「酔鯨の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ酔鯨を飲みながら、もう一度読んでみて下さいね。
次回は「南部美人」です! 南部美人は、創業から受け継いできた技術を守りながらも時代に合わせた新たな取り組みも行っていて、海外輸出や日本酒が飲めない人のお酒造りなど、幅広い活動から自社製品を多くの人に知ってもらおうとしているお酒です。
記事はこちら>>南部美人の日本酒はまずい?味わいの特徴やこだわりの原材料を解説 - theDANN media
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