「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.14は「花陽浴(はなあび)」です!
はじめに
ひと昔前までは年上の人たちが好むイメージだった日本酒も、今では若い人たちにも愛好者が広がっています。
造り手の方も、若い人たちがチャレンジし、ベテランの造り手に迫る勢いで美味しい日本酒を作っています。
日本酒というと、寒いところで仕込まれているイメージがありますが、実は埼玉の地酒も人気があります。
その中でも、南陽醸造では二十代の蔵元3人組がこだわりをもって、希少な日本酒を作っており、メディアでも注目されています。
なぜ希少かと言えば、非常に手間暇のかかる作り方のため一度に生産できる量に限りがあるからなのです。
今回は、そんな南陽酒造の花陽浴(はなあび)について紹介していきます。
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花陽浴とはどんな日本酒なのか?その特徴とは?
花陽浴は埼玉県羽生市に蔵のある、南陽酒造から発売されている日本酒です。
まだ今のように人気の日本酒となる前に、蔵元たちが『太陽の陽ざしをたくさん浴びて大輪の花を咲かそう!』という想いを込めて商品名を名付けました。
発売されてからそう長くは経っていませんが、すでに全国レベルの純米吟醸酒として知られていますから、蔵元たちの想いは叶ったと言えそうです。
少量生産ですが、品質が高く、安定した日本酒として人気です。
また、なかなか手に入れることのできない幻の一品として、日本酒愛好家の中では話題となっています。
原料米として、さまざまな米を使いわけています。
主には美山錦や八反錦、そして五百万石や雄町、そしてほかの日本酒にもよく使われている山田錦などです。
その中でも、雄町を使った「花陽浴純米吟醸備前雄町無濾過原酒」が、数ある花陽浴のラインナップの中でも花形商品と言えるでしょう。
ちなみに、雄町というのは岡山県で主に生産されている米ブランドで、江戸時代の安政年間に野生で生えていたところから人の手で栽培されるようになりました。
実は、山田錦や五百万石のルーツと言われている重要な米なのです。
このお酒は、雄町らしいしっかりとした味わいがあり、旨味が存分に感じられると人気があります。
花陽浴では、純米吟醸酒をさまざまな米で作りわけていますので、飲み比べをしてみると、米による味や香りの違いをよく感じることができるでしょう。
そのように利き酒をして楽しめるラインナップとなっています。
この花陽浴、味の特徴としてはパッションフルーツのようなフルーティな風味があるという点が挙げられます。そして、みずみずしさも同時に感じることができます。
南陽酒造について
南陽酒造は、明治3年(1870年)に初代である須永亀吉によって創業された造り酒屋です。
須永亀吉は、茨城県古河市で酒造りを学んだのち、現在の埼玉県羽生市に日本酒造りに向いた清い水が沸く地を見つけ、そこに蔵を開きました。
「南陽」という名の由来は、中国・魏の時代の昔話に登場する地名であることと、三国志に登場する諸葛孔明が晴耕雨読の日々を過ごしていた隠棲の地の名前であることから名づけられました。
酒造りに使われる水は、荒川水系と利根川水系が入り混じった伏流水で、軟水です。
水は、井戸からくみ上げた井戸水を使用しています。そのため、仕込んだ酒は口当たりがやわらかい仕上がりとなっているのです。
蔵人は、代々跡を継いできた家の長女夫妻と、長女の弟の、二十代の蔵元3人組です。
まさに新進気鋭、若い力で情熱を注いで新しく南陽酒造の酒として生まれたのが花陽浴でした。
一切の圧をかけず、もろみを袋に詰め、ポタポタと落ちてくる酒の一滴、一滴を瓶に集めた袋吊りや、通常炭素ろ過をすることの多い工程では手間暇を惜しまない瓶燗急冷を行っています。
そうして、ひとつひとつの商品を大切に作り上げてゆき、希少価値のある酒を生み出していっているのです。
その情熱的な姿勢が世の人の目に留まり、報道されることも多くなり、どんどんとファンを拡大していっています。
南陽酒造では、元々「南陽」という地元向けのお酒が醸され、販売されていました。
そして今は、花陽浴同様に人気の酒がほかにもあります。その名を「藍の郷」と言います。
埼玉県羽生の地は、藍染めが有名で、名産品としてさまざまな藍染め商品が販売されていることが名前の所以です。
花陽浴は華やかな酒ですが、この藍の郷は爽やかな酒です。同じ酒蔵のお酒であっても違った味わいが楽しめるようになっています。
どこが特別?花陽浴の造り方
入手困難と言われるほどに人気の埼玉の地酒、花陽浴はどのように作られているのでしょうか。
南陽酒造は歴史ある酒蔵ですから、蔵自体は年季の入った建物のようです。
しかし、中に入ればしっかりと手入れされた酒造りの機械や道具がしっかりと揃えられ、磨かれています。
その蔵の中で、まずは酒造りに使う米を洗う作業から酒造りは始まります。
米作りに適した、柔らかい伏流水を井戸から汲み上げ、その水を使って手作業で米を洗います。
日本酒は寒造りが基本です。
寒い中、大量の米を手洗いするのはかなりの重労働です。
しかし、機械ではなく手作業を続けるところに、蔵元たちの愛とこだわりが感じられるでしょう。
そして、米を蒸して仕込みタンクで醗酵させていきます。
発酵後はもろみを絞る槽掛けの機械にかけて絞る作り方と、袋吊りにして自然と滴り落ちる酒のしずくを集める方法などを用い、それらの工程を経て酒を瓶に詰めていきます。
ここで、また南陽酒造のこだわりが見られます。
それは、手作業で瓶燗急冷をするという点です。
酒を熱処理すると、どうしても香りや風味が飛んでしまいます。
しかし、瓶燗急冷の場合は、大きな水槽に瓶を並べて徐々に65度まで温度を上げていきます。
そして、65度に達したあとは瓶が割れないように目を光らせながら、お湯を冷たい水に入れ替えて冷やしていきます。
そうすることで、風味を損なわずに熱処理をすることができ、しかも冷却することで味を引き締めることもできるのです。
入手困難な花陽浴!一度は試してみたい!
このように、たくさんのこだわりを持っており、これからますます注目されるであろう花陽浴。
しかし、このこだわりの製造法ゆえに流通量が少なく、埼玉県の地元の酒屋では比較的買いやすいのですが、タイミングを逃して一歩出遅れるとなかなか入手ができないのです。
インターネットで調べてみると、正規特約販売店などがありますので、そういったショップに問い合わせてみるのも良いでしょう。
もし、今年の分に間に合わなければ、来年トライするなど、すぐに手に入らなくても諦めずにチャレンジしてみてください。
待って手に入れた花陽浴はきっとより格別な味わいがすることでしょう。
今回は「花陽浴の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ花陽浴を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。
次回は「紀土」です!紀土は、杜氏と一緒に試行錯誤で作り上げた日本酒「紀土」は、数々の賞を受賞し、全国で認められていきます。
記事はこちら>>紀土(きっど)の日本酒を徹底解説!大吟醸の味の特徴やこだわり
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