「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。
これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。
No.13は「花邑(はなむら)」です!
はじめに
国内には日本酒の名産地が数多くありますが、その中でも秋田や山形などを擁する東北地方には、知る人ぞ知る銘酒を造っている名蔵元がいくつも存在します。
それらのうち、秋田にある両関酒造は、その名にちなんで名付けられた両関が良く知られていますが、実はそれ以外にも希少種とされる貴重な日本酒を醸造しているのです。
その日本酒の名は花邑といい、秋田と山形の二つの名蔵元によって造り出された高いクオリティを備えた銘酒です。
ここでは、両関酒造の歴史や酒造りにかける情熱について触れたうえで、幻の酒とも言われる花邑の特徴について見ていくことにしましょう。
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両関酒造の歴史と酒造りにかける情熱
幻の日本酒と言われる花邑の蔵元として知られる両関酒造は、明治7年に創業された歴史ある酒蔵です。
創業以来、「人の和によって生まれ、人の和を醸す」や「品質第一主義」というポリシーを掲げており、日本酒造りにかける情熱は他の追随を許しません。
創業時は個人商店として始まりましたが、その後伊藤二右衛門商店という合名会社となり、さらに両関酒造株式会社へと変遷を遂げています。
その長い歴史において、経営状況は常に盤石であったわけではなく、戦前には廃業を決意するほどまでに経営がひっ迫した時期があったほか、第二次世界大戦中の困難な時期にも直面しています。
しかしながら、そのような困難にも負けることなく、その時々の経営者や従業員の創意工夫と努力によって、それを乗り越え、名酒蔵としての地位を築き上げてきたのです。
特に、九代・仁右衛門と二代・忠吉という創業家出身の二人の経営者の力は大きく、彼らの活躍を受けて両関酒造は全国的にも知られるようになっていきました。
両関酒造の醸造する日本酒は、戦前から高い評価を受けており、明治40年、大正2年、大正10年、昭和9年の四度にわたって全国清酒品評会において一等賞や優等賞などの賞を獲得しています。
また、戦後になってからは、昭和60年に秋田県特産品開発コンクールの最優秀賞を受賞しており、現在に至るまでその評価は不変です。
なお、両関酒造の社名の由来は、正宗と宗近という東西を代表する大関の名前にちなんでおり、東西にまたがって君臨できるようにとの願いを込めて名付けられたと言われています。
また、この蔵元が有している4つの酒蔵は、母屋とともに明治から大正期にかけて建設された貴重な建築物となっており、国の登録有形文化財に指定されています。
両関酒造では、この酒蔵などを使って、長い伝統の中で生み出されてきた独自の低温長期醸造法を用いて酒造りを行っているのですが、この手法は、秋田という雪国ならではの寒冷な気候を活かした手法となっています。
すなわち、日本酒の原料の一つであるもろみの最高温度を抑制しつつ、ゆっくりと発酵させることによって、きめ細やかな酒を醸造することが可能となるのです。
同社では、この手法を営業秘密とすることはせず、酒造りの発展のために広く他の蔵元にも伝授してきました。
このことからも、いかに日本酒造りに情熱を持って取り組んでいるかを知れますね。
花邑とはどのような日本酒か?
このように名蔵元として知られる両関酒造が醸造している日本酒の中でも、特に稀少価値が高く幻の酒とも言われているのが花邑です。
この日本酒は、実は両関酒造だけによって造られたのではなく、山形を代表する銘酒とされる十四代の蔵元である高木酒造の協力によって開発された、まさに秋田と山形の蔵元の合作とも言えるものとなっています。
すなわち、高木酒造の社長自らによる技術指導と酒米の選定や醸造の仕方、品質の管理方法などについてのこと細かな監修のもとで、両関酒造がその酒造りの技を活かして造り上げるのが、この花邑という銘酒なのです。
両関酒造がある湯沢市は、昔から小安峡温泉などの豊かな自然があることで知られており、その峡谷から流れ出ている湧水は力水と呼ばれ、日本の名水百選の一つにも選定されています。
花邑の醸造にも、当然ながらこの力水が使われており、これによって高い品質が実現されているのです。
また、湯沢は米どころとして知られる秋田の中でも有数の稲作地帯であり、兵庫県の酒どころに因んで「東北の灘」とも呼ばれています。
そこで生産される米は、酒造りに適した高い品質を有しており、なかでも花邑の原材料となる陸羽田といった銘柄は、国内でも有数のクオリティの高さを誇ります。
花邑はこの二つの銘柄米のいずれかを使って醸造されているのですが、その生産量が限られていることもあって希少種となっているのです。
花邑の醸造過程においては、この稀少な酒米を前述した低温長期醸造法を使って発酵させていきます。
発酵に用いる酵母は非公開とされているのですが、その秘伝の酵母を使い温度を抑えて時間をかけてゆっくりと発酵させることで、きめ細やかな味を実現させているのです。
花邑のクオリティ
このように、両関酒造と高木酒造の技術の粋を凝らして醸造された花邑は、酸度1.3、アミノ酸1.0、日本酒度-6.0、アルコール15度の日本酒です。
上槽後に素早く瓶詰めがされることから、その風味は非常に洗練されており、杯にそそぐと途端に華のあるフルーティーな香りがあたりに充満します。
その味わいは、緻密でありながら舌触りが滑らかで、一口飲むとほのかな甘さと旨味が口いっぱいに広がります。
また、酒米に用いられる雄町に特徴的なわずかな酸味も感じることができるため、後味がさっぱりとしているのも特徴であると言えるでしょう。
なお、花邑は希少種ではあるものの、一升瓶入りのモノでも3,000円前後と手ごろな価格で購入することが可能です。
そのため、店頭などで見かけた場合には、機会を逃さず購入してみてください。
秋田と山形の合作である花邑を楽しもう
花邑は、両関を醸造している秋田の両関酒造と十四代を醸造している山形の高木酒造という、両県を代表する名蔵元のコラボレーションによって誕生した非常に貴重価値の高い銘酒です。
希少種であるがゆえに、日本酒への造詣が深くても飲んだことがないという人は多いようですが、技術の進歩によってかつてに比べると入手はしやすくなってきていますので、もし見かけたら手に入れることをお勧めします。
一度口に含むと、そのフルーティーな香りと、旨味、甘味、酸味が絶妙に組み合わさったきめ細やかな味わいによって、花邑の虜となること間違いなしです。
いかがでしたでしょうか。今回は「花邑の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ花邑を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。
次回は「花陽浴(はなあび)」です!花陽浴は、少量生産ですが、品質が高く、安定した日本酒として人気です。
記事はこちら>>花陽浴の日本酒を徹底解説!純米吟醸酒の味の特徴や埼玉のこだわり
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