こんにちは、theDANN編集長のダンです。
日本酒に興味が出てきて、買ってみようかと手にとったお酒のラベルに「三段仕込み」と書かれていることはありませんか?または、日本酒好きの人だと三段仕込みという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「三段仕込み」は日本酒の仕込み(造り方)の一つで、最も普及している方法の一つでもあります。今回は、日本酒の「三段仕込み」について説明します。
それでは、はじまり〜はじまり〜
日本酒の仕込みとは?
テレビなどで、日本酒の蔵元(醸造所)に大きな樽のようなものが置かれていて、梯子で人が登って中身をかき混ぜている光景を見たことがありませんか?
これを仕込みといい、日本酒を作るときに「醪(もろみ)」という最終的に日本酒になる液体を作る行程のことをいいます。醪は酒母という麹に水と蒸した米を加え、その中で酵母を発行させたものに、さらに麹、蒸米、水を加えていくことで仕込んでいきます。
このときに一気に全部の量を加えてしまうと発酵過程がうまく進まないため、何回かに分けて仕込むことになります。これを「段仕込み」と呼んでいます。
三段仕込みとは?
冒頭の「三段仕込みとは?」の答えがこの「段仕込み」のことになります。
昔ながらのやり方では仕込みを3回に分けて行なうのが一般的で、段仕込みといえば通常三段仕込みになります。もちろん、4回に分けて四段仕込み、場合によっては十段仕込みなどと銘打つ酒蔵もありますが、原理的には3回に分けるのが一番効率的と言われています。
もっとも2000年以降の日本食ブームで日本酒が注目されるようになってから、4段目に特殊な材料を加えることで味わいを変えたりする手法も増えています。 そのように三段仕込みと違った意図で段数を増やすことには意味があります。
段数が多いと「何か凄い製法なのか」と買い手にインパクトがあるので、そのような仕込みを行なうこともあるようです。
初添→踊り→中添→留添
三段仕込みでは4日にかけて仕込みを行ないます。初日は「初添(はつぞえ)」といい、タンク(テレビで見かける大きな樽のようなもの)に酒母を移し、酒母の2倍の量の麹、蒸米、水を加え、長い棒でゆっくりと攪拌を行い発酵を促進します。 2日目は「踊り」といい、攪拌(かくはん)だけを行ないます。(踊りはかき混ぜるだけなので、仕込みにはカウントしません)
これによって酵母菌を増殖させます。3日目は「仲添(なかぞえ)」といい、二段目の仕込みです。初添の倍の量の麹、蒸米、水を加え、攪拌を行ないます。4日目は「留添(とめぞえ)」といい、仲添の倍の量の麹、蒸米、水を加え、攪拌を行ないます。これが三段目の仕込みです。
3回に分けて倍、倍と仕込む量を増やすことで、一気に環境を変えるのではなく、ゆっくりと酒母を醪に仕込んでいくことで、スムーズな発酵と雑菌の発生を防ぎます。
三段仕込みは日本酒造りの基本!
三段仕込みについて説明しました。日本酒は丁寧に時間をかけて造るため、急激な変化は好みません。昔の人が醪を仕込むときに一番よいやり方が3回に分けて量を増やしていくことで、発酵と酵母菌の増殖を程よいペースにすることでした。
この知恵は今でも多くの酒蔵に引き継がれ、三段仕込みとラベルにも銘打たれています。日本酒を飲みながら「三段仕込み」の知恵について語ってみるのもよいのではないでしょうか?
theDANN mediaでは、世界中のワインと料理を掛け合わせた新しいワインのストーリー「the new(ザ・ニュー)」をご提供しております。
ソムリエ様が厳選した2000円から購入できる赤・白・泡のワインと、ワインにぴったりなお料理のレシピ(無料)をお楽しみいただけます。
レシピ本は、ワインソムリエ様とフードコーディネーター様が考案した本格的なお料理。
ワインとのペアリングによって、素晴らしいマリアージュが堪能できます。
いつものディナーが、まるで旅行先でふと入ったレストランにいるような楽しいひとときになるでしょう。
パートナーの方やご友人の方と、気軽にペアリングを楽しめます。
ぜひ、the newによる新しいワインのストーリーをお楽しみください。