theDANN media

theDANNは、「語らい、愉しい」をテーマに、お酒のメディア運営しています。吟醸、クラフトビール、ビオワインなどこだわりのあるお酒を中心に誰もがカンタンに楽しめる情報を発信しています。

menu

日本酒造りに必要な微生物とは?麹菌・酵母菌・乳酸菌・硝酸還元菌を徹底解説!

日本酒造りに必要な微生物とは?種類と特徴を徹底解説します!|theDANN media

 

 

こんにちは、theDANN編集長のダンです。

 

一日の疲れをとるために、キュッと一杯飲む日本酒はとっても美味しいですよね。

 

ところで、日本酒を造るためには、実は微生物と大きなかかわりがあることをご存知でしたか?

 

日本酒と微生物の組み合わせに、いまいちピンとこない方も多いかもしれませんね。

 

そこで今回は、日本酒造りに必要な微生物4種類

 

・麹菌(こうじきん)

・酵母菌(こうぼきん)

・乳酸菌(にゅうさんきん)

・硝酸還元菌(しょうさんかんげんきん)

 

にフォーカスを当て、それぞれの特徴や役割についてわかりやすくご紹介していきます!

 

 

 

日本酒造りに必要な微生物~麹菌(こうじきん)~

 

日本酒造りにもっとも重要な微生物のひとつである「麹菌(こうじきん)」。

はじめに、日本酒造りのメインの微生物となる麹菌についてご紹介しましょう。

 

麹菌とは?

 

実はカビの一種である麹菌ですが、日本酒の豊かな旨味、甘さやスパイシーさをバランスよく調合してくれる、重要な役割を持つ微生物として知られています。

 

麹は、麹菌の胞子を蒸したお米に振りかけ、繁殖させたもののことをいい、甘酒などにも使われています。

 

日本だけでしか使われることがなく、貴重な麹菌は、2006年には日本の国菌として認定されています。

 

麹菌の役割について

 

日本酒造りにて、麹が必要な理由・目的は、日本酒を愛するみなさまならとても興味を惹かれますよね。

 

日本酒の原料となるお米には、アルコールの発酵にかかわりのある糖分が含まれていないため、麹菌がもともと持っている糖化酵素のアミラーゼという酵素を利用し、お米のデンプンを酵母が糖分によって変わっていきます。

 

糖化にかかわりのある麹は、日本酒の豊かな味わいを引き出したり、豊富な栄養素を日本酒にそのまま活かすことができます。

 

日本酒に使われる麹菌の種類

 

ひとえに麹菌といっても、実はそこからいろいろな種類に分かれています。

 

日本酒に使われる麹菌の3つの種類と、それぞれの特徴をここでじっくりとチェックしてみましょう。

 

1.紅麹菌(べにこうじきん)

 

もともとは中国や台湾のお酒の微生物として使われていた紅麹菌ですが、日本酒でもスパークリング日本酒やにごり酒に使われることが多くなっています。

 

紅麹菌は、生育すると徐々に美しいレッドのカラーの変わるため、この微生物を使ったお酒は、女性からの人気が高く、男性の場合は女性へのプレゼントに活用することが多くなっているようです。

 

2.黒麹菌(くろこうじきん)

 

泡盛などに使われることが多い黒麹菌は、日本酒に使うと、クエン酸を大量に産生する特徴から、酸味が強めになる特徴があります。

 

黒麹菌は、使うことで酒蔵内の壁が黒くなってしまうトラブルが懸念され、一般的には使われていなかったのですが、今では麹の健康ブームや市場拡大が注目を集めているため、日本酒造りに黒麹菌をメインい使う酒蔵が増えているそうです。

 

3.黄麹菌(きこうじきん)

 

日本酒のほとんどの商品に使用されている黄麹菌は、数ある麹菌の中でも、もっとも古い種類として知られています。

 

麹菌の中でも、お米を糖化するチカラが優れ、日本酒造りに使うことで香り高く豊かな味わいに仕上げてくれます。

 

黄麹菌は、日本酒やお酢、みりん、甘酒、お味噌の原料となり、古い時代から人々の間で重宝されてきています。

 

日本酒造りに必要な微生物~酵母菌(こうぼきん)~

 

つづいては、日本酒造りに麹と同じくらい重要な役割を持つ、「酵母菌」の特徴や役割について見ていきましょう。

 

酵母菌とは?

 

酵母菌とは、麹が生み出す糖分を分解しながら、アルコールを生成する重要な役割を持ちます。

 

お米や麹、その他の微生物が揃っていたとしても、日本酒を造るためには酵母菌がないと、お酒にはなりません。

 

また、酵母はそのお酒の種類によっても、使われるものが変わってきます。

 

日本酒用酵母・ビール用酵母・ワイン用酵母などがあり、日本酒に使う酵母は、低温や高アルコールといったハードな環境でも、劣化しにくく、活発に活動できるメリットがあります。

 

酵母菌の役割について

 

アルコールを生成するはたらきの他にも、酵母菌には日本酒の味わいをフルーティーに、ナチュラルに仕上げる香り付けの役割もあります。

 

日本酒の種類のひとつである、吟醸酒・大吟醸酒は、飲むとフルーツの香り・美味・甘い味わいを感じることが多いですよね。

 

酵母には、日本酒造りに必要な他の微生物・原料とは違った特別なパワーがあり、使うことで日本酒の味わいをフルーティーに仕上げてくれます。

 

日本酒のきょうかい酵母とは?

 

日本酒造りに必要な微生物、酵母もまた、いろいろな種類に分かれて存在しています。

 

日本酒を造る際に使われることの多い酵母がきょうかい酵母で、日本醸造協会によって、アンプルとよばれるガラス容器にて保管されています。

 

わたしたち現代人に馴染みのある、サプリメントや健康食品にも使われている酵母は、自然界に存在している微生物でしたが、日本酒造りには安定感がないとされていました。

 

しかし、全国新酒鑑評会にて良質な酵母のみを採取し、安全性や優秀さが認可されたのち、安定して日本酒造りができる協会酵母としてニーズを高めていったのです。

 

日本酒造りに必要な微生物~乳酸菌(にゅうさんきん)~

 

「乳酸菌」というと、ヨーグルトやチーズに含まれる、健康にも一役買ってくれる微生物、というイメージがありますよね。

 

実は乳酸菌は、日本酒のもととなる、酒母作りに大きなかかわりを持っています。

 

それではここからは、日本酒と乳酸菌のかかわりについて見ていきましょう。

 

乳酸菌の役割について

 

乳酸菌は、日本酒を造る際に、雑菌を淘汰したり、味わいに深いコクを与えたり、酵母の増殖になくてはならない微生物として知られています。

 

乳酸菌が生成する乳酸も、日本酒の味わいを深め、まろやかな味わいに仕上げる重大な役割を持っているため、乳酸菌なくしては美味しい日本酒ができないといっても過言ではないんですよ。

 

乳酸菌は立役者的な存在である

 

日本酒の香り深い味わいをサポートしてくれる乳酸菌は、ここまでにご紹介した日本酒造りに必要な微生物、麹菌や酵母に比べると、そこまで目立つ存在ではないものの、麹菌・酵母のはたらきを最大限に引き出してくれる、サポート・立役者的な存在として知られています。

 

乳酸菌が生み出し、生成する乳酸には、日本酒の品質の劣化、味わいの深みをなくしてしまう、雑菌や野生酵母のような不要な微生物の繁殖をブロックしてくれるため、日本酒本来の安全性や美味しさを維持してくれます。

 

さらに乳酸は、日本酒に欠かせない微生物、酵母が活発に活動できるようベストな環境を整えてくれる役割があるため、麹菌や酵母と同じくらい、重要な役割を持っていることがわかりますね。

 

日本酒造りに必要な微生物~硝酸還元菌(しょうさんかんげんきん)~

 

「硝酸還元菌(しょうさんかんげんきん)」という言葉は、日本酒通の人にとっても、まだまだ聞きなれない言葉ではないでしょうか?

 

日本酒に必要な微生物の中でも、まだまだ情報が少ない硝酸還元菌には、日本酒と大事な関係があると言われているんですよ。

 

硝酸還元菌とは?

 

硝酸還元菌とは、生酛(きもと)系統と呼ばれる、乳酸菌を増殖させる初期の段階に必要な微生物としてしられています。

 

生酛系統は、乳酸菌を自然なカタチで増やし、この微生物が資化する乳酸によって、不要な微生物の繁殖・汚染を防ぎ、清酒酵母の環境をより良く整える手法のこと。

 

硝酸還元菌は、水の中に含まれている硝酸塩を、亜硝酸に還元する役割を持つ微生物で、日本酒に使うことで抗菌成分が働き、安全性や品質の高さを維持する役割があります。

 

日本酒本来の安全性、深い味わいを維持する役割については、前項にてご紹介した乳酸菌と似ている部分がありますね。

 

硝酸還元菌のメカニズムについて

 

日本酒の甘さやほのかな辛み、奥深い味わいを維持するために欠かせない微生物、硝酸還元菌は、日本酒造りの過程において、次のようなメカニズムによってその働きを活かしています。

 

なかなか知ることのできない日本酒造りに必要な微生物、硝酸還元菌の役割をわかりやすくまとめてみました。

 

①蒸したお米(蒸米)、麹、水を投入する

②硝酸還元菌が、水分中の不要な硝酸塩を還元する

③そこから、他の不要な微生物を死滅させるための亜硝酸を生み出す

④さらに時間が経つと、乳酸菌も増殖しはじめる

⑤乳酸菌が増えることで、日本酒の味や品質維持の決め手となる乳酸が造られていく

⑥これらの仕込みの1週間前後にて、硝酸還元菌から生成された亜硝酸と、乳酸が共存するようになる

⑦亜硝酸と乳酸の共存、相互のはたらきによって、より自然に入ってくる不要な微生物が死滅していく

⑧亜硝酸への耐性が強い乳酸菌ですが、硝酸還元菌は乳酸には弱い性質を持っているため、乳酸菌が増えると、硝酸還元菌が死滅します

⑨そこからさらに、乳酸菌自体も自身で生成した乳酸によって死滅していく

⑩もろみの中は、乳酸よりも強い酸性と変わり、いろいろな微生物が淘汰され、酸性に強い性質を持った清酒酵母がはたらきを活性化しはじめる

⑪ここまで生きていた乳酸菌は、酵母が生成をするアルコールによって淘汰され、大量の乳酸と清酒酵母だけが存在し、ナチュラルでピュア、香り高い日本酒が完成する

 

硝酸還元菌は、とても奥深い微生物であることが、ここまでにご紹介した日本酒造りとのかかわりによって明らかになりましたね。

 

日本酒の他のお酒にはない個性的、華やかな香りや味わいは、硝酸還元菌による、影からのサポートによって生まれていることが納得できたのではないでしょうか?

 

まとめ

 

ここまでで、「日本酒造りに必要な微生物とは?麹菌・酵母菌・乳酸菌・硝酸還元菌を徹底解説!」について書きました。

 

日本酒造りに欠かせない微生物のお役立ち情報、奥が深い部分と、なるほど!と納得できる部分の両方を感じ取ることができたのではないでしょうか?

 

わたしたちの生活をもっと華やかに、楽しく変えてくれる日本酒には、本当にたくさんの微生物が重要な役割を担っていることをを思いながら、今夜はじっくりと晩酌を楽しんでみてはいかがですか?