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作の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?

作の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?|theDANN media
「日本酒50選シリーズ」は、「〇〇の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」と題して、様々な銘柄や酒蔵を紹介するシリーズ記事です。

 

これまでの記事やこれからの記事はこちら、「おすすめ日本酒50選を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さいね。

 

No.19は「作(ざく)」です!

 

はじめに

 

三重県鈴鹿市と言うと本田技研工業の四輪車全世界マザー工場があり、鈴鹿サーキットが存在することで知られる街です。

 

天照大神を祀る伊勢神宮に近いことからかつては多くの酒蔵があったそうですが、現在では清水清三郎商店が唯一の酒蔵となっています。

 

この清水清三郎商店が作り出す清酒「作」(ざく)は、数々のコンクールで上位の賞を取っている優れた日本酒です。

 

しかし、その美味しさはコンクールで賞を取っていることにだけ表れているのではありません。

 

毎年製造量を増やさないと需要に追い付かないという現象が繰り返されていることが、作の美味しさの証拠となっているのです。

 

ここでは、人気の日本酒「作」について詳しく紹介していきます。

 

 

 

 

作は作り手と呑み手が一緒に作り上げる酒

 

作と言う一風変わった名前ですが、その酒名の由来は「これから作り上げる未完成の物」であり「杜氏に代表される酒職人が酒を作り、呑み手がその価値を作る」と言うコンセプトから生まれたと言います。

 

作は多くの日本酒と同じように、いわゆるシリーズ名です。

 

作の中には頂点ともいえる「筰」から、手軽に飲める純米酒まで、さまざまなものがあります。

 

そのすべてに共通するのは生酒を出荷しないことです。

 

生酒は美味しいものの温度変化や時間経過に弱く、瓶の中で劣化して老香(ひねか)と言う匂いを出してしまうことが珍しくないからです。

 

老香はある種の熟成香なのですが、本来の物とは異なり深みがまったくありません。

 

温度管理をしっかりしている流通経路であれば防ぎやすい現象なのですが、蔵元のコントロール下にないので悪く言えば他人任せになってしまいます。

 

そこで、蔵元の清水清三郎商店は必ず火入れをして作を出荷します。

 

そのことで作は環境変化によって味の劣化が起こるのを防いでいるのです。

 

そこまでして味をコントロールしている作には高価な酒もありますが、普及品もあります。

 

決して大量生産で雑に作られることはありません。

 

もともと作の研究が始まった時には大吟醸酒を作る小さな仕込みタンクで、本来なら大型タンクで仕込むレベルの本醸造酒までをも作るという、経営的には大きな決断をして開始したと言います。


2019年現在、作は高度な温度調整機能を備えた小型タンクを使って、四季醸造(通年醸造)を行っています。

 

そのため、小型タンクでも一年を通じて酒が供給できるのです。

 

数々の作シリーズの酒の中で、手軽な価格帯の3種類は原料米については山田錦や右近錦などを使っているようですが、完全には公開されていません。

 

公開されているのは酵母です。

 

作の中でも定番と言える「穂の智」は辛口ですが軽いフルーティな香りや米の甘味が感じられる酒で、仕込みには淡麗な酒を作りだすことで知られる金沢酵母(きょうかい酵母清酒用1401号)を使用しています。

 

また、「玄の智」はきょうかい7号酵母で作られています。

 

糖の消費量(アルコールの作成能)はきょうかい6号酵母より少ないですが、華やかな吟醸香を生み出す優れた酵母です。

 

「恵の智」は清水清三郎商店が自社で保存している酵母を使っています。

 

キレのある味と甘くてさわやかな香りが特徴です。

 

以前は純米酒でしたが、価格を据え置いたまま純米吟醸にグレードアップし人気の一品となっています。

 

この3品に少し上の価格帯でふくよかな味わいの「雅の智 純米吟醸」と、華やかな香りがあふれる「雅の智 純米大吟醸 中取り」を加えた5品種がレギュラーシリーズです。

 

こだわり抜いた調和と透明感のコンセプト通りのプレミアムシリーズ 

 

作のコンセプトはこだわり抜いた調和と透明感です。

 

それは仕込みのこだわりだけでなく、原料米や麹・酵母にも表れています。

 

そして酒造りに欠かせない水もまた、鈴鹿山系の伏流水と言う自然の恵みがあったのです。

 

そのコンセプトはレギュラーシリーズはもちろんのこと、作のプレミアムシリーズではより一層強く活かされています。

 

2019年7月現在最高峰と言えるのは作に竹冠を付けた、杜氏入魂の作品「筰クラウン」です。

 

筰とは舟を曳く竹の縄のことですから、きっと作シリーズと言うすべての酒を引っ張って行くという意味もあるのでしょう。

 

プレミアムシリーズには滴取りと言う技法で絞られた酒があります。

 

絞るというのは少し違うかも知れませんが、もろみを袋に入れて自然滴下で酒を斗瓶と言う容器に直接取ります。

 

その中から最良のものを選び出したのが滴取りです。

 

滴取りの作には大吟醸滴取り 大智(だいち)と純米大吟醸 智(さとり)があります。

 

いずれも山田錦を精米歩合40%に磨いて仕込まれた酒ですが、大智の方が17%、智の方が16%と少しアルコール度数に差があります。

 

智の方は2016年のG7伊勢志摩サミットで乾杯酒としても用いられました。

 

歴史に残る酒と言えるでしょう。

 

プレミアムシリーズの中では比較的手軽で人気なのが槐山一滴水・陽山一滴水です。

 

いずれも山田錦を使った純米大吟醸ですが、愛山を原料米に使った槐山一滴水も登場しています。

 

作は四季醸造藏で作られていますが、冬季限定で純米大吟醸の新酒が発売されることもあります。

 

季節になったらチェックしておきたい一品です。

 

生酒を出さない藏のこだわりの原酒がインプレッションシリーズ

 

先に少し触れたように、作の清水清三郎商店は生酒を出荷しません。

 

しかし、生酒の旨さと言うのは大変魅力的な物であることもまた事実です。

 

そこでプロトタイプと言うことで開発され、インプレッションと言うシリーズに昇華した酒が「純米吟醸・無濾過・槽場直汲み・瓶火入れ」の作です。

 

槽場(ふなば)とは、もろみを袋に入れて酒を絞るための槽(ふね)がある場所のことです。

 

そこで直接瓶に詰めてから火入れを行ったものがこの酒なのです。

 

ですから瓶を開けた直後には、微かな炭酸が酒の中に含まれていてさわやかな口当たりを感じさせてくれるのです。

 

インプレッションには元になった作によって4種類あります。

 

穂の智の無濾過原酒バージョンがインプレッション・タイプHです。

 

そして玄の智からはタイプGが、恵の智からはタイプMが生まれました。

 

さらに雅の智 純米大吟醸 中取りからはタイプNが作られています。

 

いずれ劣らぬ旨さですので、入手するチャンスに恵まれたら是非試したい一品です。

 

こだわり抜いた調和と透明感はすべての作に共通する味の美しさ

作 日本酒 三重 G7

(画像:清水清三郎商店公式HP)

 

 全ての作には、美しい透明感のある味が共通します。

 

「ザク」と言う読み方から、とある漫画家が「ザクと言う酒がある」と作中で紹介したことから、一部のアニメファンに人気が出たのは事実のようです。

 

しかしそのアニメも第1作から40周年、当時熱狂したであろう小中学生も今では50代の責任ある世代です。

 

その縁でこの酒に出会えて旨さに感動できれば、それは素晴らしいことと言えるでしょう。

 

あるいは世代を超えて親子で楽しめる酒として呑まれれば、それは作と言う酒の「呑み手が酒の価値を作る」と言うコンセプトに見事に当てはまるとも言えるのです。

 

いかがでしたでしょうか。今回は「作の日本酒を徹底解説!味の特徴は?どんなこだわりがあるの?」について書きました。ぜひ作を飲みながら、もう一度記事を読んでくださいね。 

 

次回は「写楽」です!

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