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【完全版】ワインのテイスティングの目的・手順・NGマナーを解説

ワイン テイスティング

 

ワインのテイスティングはある程度の知識がないとできないというイメージがありますが、テイスティングの重要性、意味を理解しておくとさらにワインの世界が広がるでしょう。


テイスティングによって自分自身でワインを感じ評価できると、もっといろんなワインに触れたり、これまでのワインをより深く味わったりできます。

 

本記事は、ワインエキスパート石関華子様監修のもと、ワインのテイスティングについて徹底的にわかりやすく解説しました。
ぜひ、ワインの専門知識を深めて、ワインの世界を楽しんでください。

 

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ワインのテイスティングをする2つの目的


ワインのテイスティングには、主に2つの目的があります。ワインの品質が正常かどうかを確かめる目的と味わいを評価する目的です。

いきなりワインをグラスに注がれても何を確認していいのかわからないですよね。そんな場面できちんとワインのテイスティングの目的を理解しておくと、確認する部分が見えやすくなるでしょう。

 

ワインが正常か確認:ホストテイスティング


ホストテイスティングとは、グループの主催者である「ホスト」がおこなうテイスティングのことを言います。ホストテイスティングでは、ホストが注文したワインと間違いないかを確認し、グラスに注がれたワインをテイスティングして、ワインの品質に問題がないか確認を行います。

 

いくら有名なレストランだとしても、ソムリエの手違いで別のワインを提供してしまうことが絶対にないとは限りません。そこで、まずはワインリストとラベルを確認し、正しくオーダーが通っているかか確認しましょう。

 

次に、ワインの状態が健全であるかを調べます。

具体的にはグラスに注がれたワインの香りに、コルク臭などの異臭がないか確かめます。そして、一口飲んで味を確かめ、問題なければ、「大丈夫です。」と伝えましょう。

 

オーダーミスやワインの品質に問題があれば、ワインを交換してもらうことができます。食事と一緒にワインを楽しむためにも、ホストにきちんと確認する責任があるともいえますね。

 

ワインの味わいを評価:テイスティング


ワインのテイスティングの目的のひとつに、味わいの評価があります。味わいを評価するテイスティングは、様々な種類のワインを飲み比べたり、オーダーしたワインを少量だけ味見したりして、コメントをします。

 

格式の高いレストランでは、ボトルワインを注文した方にソムリエがテイスティングを求めることがあります。その場合は後述するテイスティングの方法にしたがって、ワインの外観や香り、味わいなどを確認しましょう。

 

そして、できるだけわかりやすい言葉でそのワインの特徴を表現します。ただし、コメントを求められていない時は、無理にコメントする必要はありませんので、気張らずにテイスティングをおこなってくださいね。

 

ワインのホストテイスティングの手順

ワインのホストテイスティングの手順

 

ワインのホストテイスティングをお願いされても、ホストテイスティングに慣れていない方は、戸惑ってしまうこともあるでしょう。
そこで、ワインのホストテイスティングの手順をわかりやすくご紹介しますので、それぞれのポイントごとに参考にしてください。

 

ワインのラベルを確認


まずワインのホストテイスティングは、ソムリエが「こちらのワインでよろしいでしょうか」とボトルの確認をお願いしてきます。
ラベルをチェックをする意味は、メニューから選んだワインと運ばれてきたワインが同じかどうか確認するため。

 

同じワインでもレストランのメニュー表記と実際のワインボトルのラベルではヴィンテージが違うこともあります。場合によっては会計で想定外の値段を請求されるかもしれません。

 

そのような誤解を生じさせないためにも、ラベルが注文したものかどうかきちんと確認しておきましょう。もし判断しにくい場合はスタッフの方に確認してもらうこともできます。

 

光にかざして色合いを確認

ワインの色合いを確認

 

ホストテイスティングは味だけでなく、ワインの色合いから品質を確認することも重要です。やり方はワイングラスのステア部分を持って目の高さにグラスを置き、光にかざして清澄度や濃淡を透かして確認します。

 

店内の照明が暗くわかりにくい時は、白いテーブルクロスやナフキンを背景にしたり、グラスを少し傾けて見たりすると確認しやすくなるでしょう。ワインが劣化していると赤ワインも白ワインも色が茶色く濁っている場合があります。

 

とはいえ、ワインの色合いは製法やブドウ品種によっても左右されるものなので、色が茶色っぽいからといって必ずしも劣化してるわけではありません。香りも確認した上でソムリエに申し出るとよいでしょう。

 

香りを確認


色合いを確認したら、次は香りをチェックしましょう。
まずはグラスを回さずに鼻に近づけて、強烈なコルク臭がないかなど、異常な香りがないかを確認してください。

異常な香りを感じた場合は、その旨をソムリエに申し出て、香りを確認してもらいましょう。もしワインの品質に問題があれば、ワインを交換してもらうことができます。

 

香りに問題がなければ、2~3回グラスを回して再び香りを確認します。グラスを回すことでワインが空気に触れ、より多くの香りが引き出されるのです。

 

口に含んで回して味を確認


ホストテイスティングの最後に確認するのが味わいです。
ワインを少しだけ口に含んで、舌の上の全体に転がすよう味わいを確認しましょう。

 

ワインの品質に問題がある場合、たいてい香りの確認の段階で気付くことができます。香りに異常がなければ、たいてい品質には問題がないので、味わいにも異常がないことがほとんどです。味に異常がなければ「これでお願いします」とソムリエに伝えます。

 

香りを確認した際、少し独特な香りが感じられた場合、味わいに異常がないかをよく吟味する必要があります。

例えば、あまりにも強烈な酸味などの異常な味わいを感じたら、ワインが劣化している可能性が高いので、その旨をソムリエに申し出てください。

 

ワインの味わいテイスティングを徹底解説

味わいテイスティングを解説

 

ワインが正常か確認するホストテイスティングではなく、ワインの味わいを評価するテイスティングにはより細かいポイントや手順があります。

 

この手順に従ってテイスティングをすることで、ワインの全体像を捉え、より深く味わえるようになるので、ぜひ挑戦してみてください。

 

ワインの外観をみる5つのポイント

ワインの外観をみるポイント

 

ワインの味わいを評価するテイスティングでは、まずは外観を見ることから始めましょう。ワインの外観は、ブドウ品種や醸造方法、経年によって変化するので、最初にワインの特徴を捉える指標となります。具体的には、次の5つを中心に観察していきます。


①     色


ワインの色はブドウ品種や樽熟成の有無、経年によって変化します。
なかでも赤ワインの色調に影響を与えるのはブドウ品種で、ブドウ品種がピノ・ノワールなら明るめのルビーのような色調、カベルネ・ソーヴィニヨンブなら濃い紫に近い色調など、ブドウ品種によって色調が左右されます。


白ワインの場合、産地や製法、樽熟成の有無でも色調が大きく変化します。冷涼な地域のワインや樽熟成をしていないワインは無色~黄緑色であることが多いのに対し、暖かい地域のワインや樽熟成をしたワインは濃い黄色~金色のような色調が出やすくなります。


なお、赤ワインも白ワインも、熟成が進むにつれて褐色のような色調を帯びてきますが、品質には問題ありません。


②     輝き


液体にきらきらとした輝きが多く見られれば、ワインに含まれる酸が豊かであると言えます。特に酸味が豊富な白ワインでみられることが多いです。
また、液体に輝きがあり、透明度が高ければ高いほど、雑味の少ないクリアな味わいとなる傾向にあります。

 

③     濃淡


ワインの色が濃いか薄いかを観察します。グラスの下に紙などを置き、グラスを傾けたときに、その紙などがどれくらい見えるかで濃淡を判断できます。


ワインの色の濃さは、ワインの味わいの濃さに比例するため、ワインの濃淡を見ることで、おおよそのワインの味わいを想像することができるのです。

 

④     清澄度


清澄度とは、ワインが澄んでいるかどうかを見るものです。製造過程で清澄やろ過を行うことで澄んだワインになります。

ただし、なかには生産者のこだわりにより、あえてこれらの工程をおこなわず、濁った状態で出荷されているワインもあります。


そのため、濁っているからといって、一概に品質に問題があるとは言えません。なお、このようなワインは、澄んだワインよりも複雑みのある味わいになります。


⑤     粘性


粘性とは、ワインの液体がどれくらいとろりとしているかのことです。粘性を見ることで、ワインのアルコール度数やワインに含まれる糖分の量や甘みなどが推測できます。

 

粘性が高ければ高いほど、アルコール度数が高いワインか糖分の量が多いワインであるため、より凝縮感があり、厚みのある味わいのワインであると言えるでしょう。

 

ワインの外観を評価する3ステップ


①     ワイングラスの脚を持ち、目の高さまで持ち上げる。


まずは目の高さでワインの色や輝き、濃淡、清澄度を観察します。
また、「ディスク」と呼ばれる液面の厚みを見ることでも粘性を見ることができます。

 

グラスを真横から見たときに、表面張力で盛り上がっている液面の厚さが「ディスク」です。このディスクが厚ければ厚いほど、粘性が強いワインと言えます。


②     白い紙や布の上にワイングラスをかざす。


白を背景にすることで、より正確に色調や濃淡を捉えることができます。もし白い紙や布がなければ、白い壁を背景にしても良いでしょう。


③     ワイングラスをゆっくりと傾けて元に戻す。


この時にワイングラスの内側をワインが筋状に流れます。

この筋はレッグスやラルム(「涙」の意)と呼ばれ、はっきりと見える場合、そのワインは粘性が強いと言えます。

 

ワインの香りの嗅ぐときのポイント


外観の次は、ワインの香りを確認しましょう。

この時に大事なことは、ワインに含まれる香りが何に由来している香りかを判断することです。ワインの香りは、「アロマ」と呼ばれることがあります。そして、その由来ごとに、次の3つに分類されています。


①     第一アロマ


第一アロマとは、ブドウ自体が持っていて、それがワインになったときに発せられる香りのことをいいます。具体的には、チェリーやカシスといった果実、バラやスミレなどの花の香りがこれに該当します。


この第一アロマを嗅ぐときは、そのワインのブドウ品種を意識しながら嗅いでみてください。自分の中でブドウ品種と第一アロマの紐づけができると、次第に香りを嗅いだだけで、おおよそのブドウ品種の推測ができるようになります。

 

②     第二アロマ


第二アロマとは、発酵や醸造に由来する香りのことをいいます。代表的なものに、マセラシオン・カルボニックという醸造方法から生まれるイチゴキャンディやバナナのような香りが挙げられます。


ワインの製法等にある程度の知識がある方は、第二アロマからそのワインの製法を想像してみましょう。

 

③     第三アロマ


第三アロマとは、熟成に由来する香りのことをいいます。代表的な香りとしては、樽熟成から生まれるアーモンドやバニラのような香りが挙げられます。


このような樽熟成に由来する香りが感じられた場合、よりコクのある味わいになります。このように、第三アロマからワインの熟成方法や味わいを推察してみてください。

 

ワインの香りを評価する3ステップ


①     グラスを回さずに香りを嗅ぐ


まずはグラスを回さずに、ゆっくりと鼻に近づけて香りを嗅ぎます。

ここで注意したいのは、あまり長時間嗅ぎ続けないことです。長い時間嗅いでいると鼻の感覚がマヒしてしまうので、2~3秒までに留めておきましょう。


②     スワリングする


スワリングとは、グラスを回すことをいいます。スワリングをすることで、液体を空気に触れさせ、より多くの香りを引き出すことができます。
なお、右手にグラスを持っているときは反時計回りに回しましょう。回すのは2~3回が目安です。


③     再び香りを嗅ぐ


スワリングをすることで、最初に感じた香りの印象が強まるとともに、より多くの香りが現れてきます。3~5秒程度で、さまざまな香りの要素を探してみましょう。

 

ワインの味わいを確認する方法


香りを嗅いだら、最後に口に含んでワインの味わいを確認します。この時、口に含む量は大さじ1杯程度を目安とします。はじめのひとくちでアタック(第一印象)をチェックしましょう。


その後、口の中全体にワインを広げていきます。人間の舌には味蕾細胞があり、ワインの味わいの要素である甘味や酸味、苦味、渋味を感じる場所がそれぞれ別れて分布しているため、舌全体に広げることで味わいの全体像を捉えられるのです。


こうして味わいの要素を捉えたら、ワインのボディ感(ボリューム感)を判断し、可能ならばアフターフレヴァー(詳しくは後述)を、飲み込んだ後に余韻(アフター)をチェックしていきます。

 

ワインの味わいを評価する3ステップ


①     ワインを少量口に含み、口の中全体に広げる


この段階で、ワインのアタック(第一印象)や味わいの構成・バランス、ボディ感(ボリューム感)が得られます。


②     ワインを口に含んだまま口から少し息を吸い、鼻から吐き出す


この時に、香りを嗅いだ時には感じられなかった香りを感じることがあります。これをアフターフレヴァーと呼びます。慣れないうちはこの動作は少し難しいと思いますので、慣れてきたら挑戦してみてください。


③     ワインを飲み込む


ワインを飲み込んだら、ワインの後味が持続する時間を計ります。持続時間が長ければ長いほど、余韻(アフター)の長いワインとなります。

持続時間の目安としては、3~4秒が短め、5~6秒で中程度、7~8秒でやや長め、9秒以上で長めです。この余韻と同時に後味を分析し、最終的なワインの印象を捉えていきます。

 

ワインのテイスティングのNGマナー

ワインのテイスティングのNGマナー

 

ワインのテイスティングにはマナーがありますので、注意すべきNGマナーをご紹介いたします。
ここでしっかりとマナーを確認し、レストランに迷惑をかけたり、一緒に食事する方を不安にさせたりしないように気を付けましょう。

 

ホストテイスティングでは断れない!


ホストテイスティングの目的は注文したワインに間違いがないか、品質に問題ないかを確認することです。そのため、ワインを交換してもらえるのは、オーダーミスや品質に問題があった場合のみ。

 

仮に、自分の好みに合わない香りや味であったとしても、別のワインと交換してもらうことできません。すでに抜栓したワインをお店に返すことはできないので、最初にオーダーする際にゲストや自分の好みをきちんと伝えておくことが大切でしょう。

 

オーダーの変更は無理でも、ワインを冷やしてもらうなどさらに美味しい状態で提供してもらえるか相談は可能です。

 

グラスの回し方に注意!


ワインのテイスティングで注意したいのは、香りを確認する際にグラスを回しすぎないこと。そもそもグラスを回すのは空気にワインを触れさせて香りや味の変化を確認するためで、ワイングラスを傾かせて2~3回転させるだけで十分なのです。

 

ずっとクルクル回転させているほうがプロっぽく見えると思っている人もいるかもしれませんが、実はNGマナーなのです。グラスの回しすぎは、ワインに含まれる香りが飛んでしまい、風味が損なわれてしまう恐れもありますので注意しましょう。

 

また、グラスをいつまでも回しているとワインが美味しくないという態度に誤解されることもありますので、回し過ぎはくれぐれも控えておきましょう。

 

なお、グラスを回す際の方向は、遠心力で回しがワインが相手にかからないように右利きなら反時計回り。左利きは時計回りに回します。

 

長々とコメントを述べなくてよい!


ホストテイスティングは決してうんちくを述べたり知識を自慢する場ではありません。そのため、仮にワインのコメントを求められたとしても、長々と述べる必要はないのです。

 

通常は、一口テイスティングして「これで大丈夫です」と答えるだけで十分。長いコメントを聞くよりも、その場にいる人達は早くワインを飲んでみたいと思っているでしょう。

 

ワインのコメントを言いたい場合は、ホストテイスティングが終わってから、皆で飲むタイミングで言うのがおすすめです。味わいを評価するテイスティングについては、もしコメントが必要であったり、求められたりした場合には、無理の無い範囲で自分の言葉でコメントしてみましょう。

 

ワインのテイスティングにチャレンジしよう!

ワインのテイスティングを楽しもう!

 

美味しいワインを飲めば、それだけで十分にワインの魅力は実感できるでしょう。
ですが、少しでもワインのテイスティングの知識を持っておくと、さらにワインを深く味わうことができ、ワインが一層美味しく感じられるでしょう。

 

ワインが間違っていないか、品質に問題がないかを確認するホストテイスティングもワインの味わいを評価するテイスティングもポイントや方法を参考にしてみてください。

 

ワインを味わう様々な場面で、テイスティングの経験を積んで、よりワインの奥深い魅力に触れてみてくださいね。

 

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執筆者プロフィール

ワインエキスパート 石関華子

ワインエキスパート 石関華子

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
日本ソムリエ協会高知支部副支部長

㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)のワイン担当を経て、2016年に日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。以降、ワインライターとして数多くのメディアや通販サイトにワインの紹介記事寄稿やコラムを寄稿する一方で、高知県内におけるワイン検定の講師を務めている。

2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任し、現在に至る。