こんにちは、theDANN編集長のダンです。
ソムリエと聞くと食事のときにワインを選んでくれたり、ワインショップにいる店員さんのイメージがあるかもしれませんね。
今回はそんなソムリエについてもっと深く勉強していきましょう!
それでは、はじまり〜はじまり〜
ソムリエとは?
ソムリエがいつ生まれた職業なのかは、はっきりとはわかっていません。ただし、中世ヨーロッパ時代に、王様の食事係が管理していた「荷車」が語源だとはいわれています。
また12世紀イタリアの医学書「サレルノ養生訓」において、良質なワインの選び方、ワインと健康についてのことが書かれています。19世紀になるとパリのレストランでソムリエに近い職業が確認されはじめます。レストランの地下貯蔵庫でワイン樽から瓶詰めを行う仕事だったそうです。
そして、1907年にパリ・ソムリエ組合が誕生。現在のフランス・ソムリエ協会の前身にあたります。しかし、第2次世界大戦後に組合員が4分の1程度まで減少し、ワイン樽からの瓶詰めも必要なくなったことで、ソムリエ滅亡の危機に陥いります。ワインの文化を守るなどソムリエの重要性を訴えるために1969年にパリ・ソムリエ協会を設立。
その後に国際ソムリエ協会も設立して今に至ります。 ワインと接客に長けた職業であるソムリエ。食事中、食前酒、食後に合わせてワインをチョイスします。その時と状況に合わせて、最適なワインを選択するスキルがソムリエには求められます。ワインと食べ物、ともに楽しめるように手配をするのがソムリエの役割です。
お客様との会話を通じて好みを理解し、そのうえで食べ物の味を損なわない、最適なワインをチョイスすることが大切になります。ワインをより好きになってもらうためにも、お客様を喜ばせるためにも、相手を楽しませるだけの高い会話術が必要です。
ソムリエは職業柄、お客様からワインについてたびたび質問を受けます。聞かれた質問には、全て答えられるくらいの幅広いワインの知識が求められます。また、ソムリエにはワインを管理する仕事もあります。ワインセラーを管理してワインの在庫・品質管理はもちろん、グラスの在庫管理も行わなくてはいけません。ワインの味わいは保存温度次第で大きく変化します。品質を損なわないために徹底した管理が必要です。
ソムリエにどうやったらなれるの?
ソムリエになるためには、まず下積みを経験する必要があります。ソムリエになるために必要な資格は特にありませんが、経験なしでレストランにソムリエとして就職するようなケースはまずありません。
ソムリエには高い接客スキルとワインの知識が求められます。これらのスキルがないことには、レストランやホテル側もソムリエとして採用することは難しいでしょう。つまり、資格が必要ない代わりに実績が求められるわけです。 未成年者がお酒を飲むことを禁じられている日本において、高校を卒業するまでに深いワインの知識を得ているなんてことはまず不可能でしょう。
そのため、レストランやホテルに就職して下積みを開始し、ワインの知識を得ながら接客スキルを磨いていく方法がベターになります。働きながらワインの知識、接客スキルを磨いて実績を積めば、いずれはレストランやホテルにソムリエとして改めて雇用されることも可能です。
ソムリエになるために資格は必要ありませんが、ソムリエの資格そのものは存在します。働きながら取っておくといいかもしれません。 また、ソムリエになるための専門学校も存在します。働きながら独学でのソムリエの勉強は相当な労力が必要です。
実務経験を積む前に、予め専門学校でソムリエに必要な知識や技術を学んでおいた方が、円滑にソムリエになれる可能性があります。専門学校で学べることは、ワインサービスやワインの提案の仕方のほか、ソムリエの身のこなし方なども含まれます。
専門学校では、プロのソムリエが指導してくれる点も魅力的です。ソムリエに必要なスキルであるデキャンタージュもきちんと教えてくれます。 実技試験もあるので、その都度、ワインの知識やソムリエとしての動作が問題なく身についているかを確認できます。きちんと身についていればその部分をさらに伸ばし、身についていなければ学習し直し、正しい技術、知識を身につけてから実務に挑めます。
日本ソムリエ協会と全日本ソムリエ連盟の違い
日本には日本ソムリエ協会(JSA)と全日本ソムリエ連盟(ANSA)という2つの民間団体があります。
両団体ともにソムリエの資格を認定する組織ですが、細部にはいろいろと違いがあります。その中でも特に大きな違いはソムリエの資格が得られるまでの道のりでしょう。前述したように日本でソムリエとなるのに資格は必要ありません。しかし、これだけソムリエという存在が有名になった以上、無資格というのはなにかと都合が悪いともいえます。自分に適した団体からソムリエ資格を取っておいた方が無難でしょう。
日本ソムリエ協会(JSA)は、ワインをはじめとした飲料の普及やソムリエなどの技術向上、食品の衛生向上を目的とした一般社団法人。1969年に飲料販売促進研究会として設立した後、1976年に現在の名称になりました。また、1986年に国際ソムリエ協会(ASI)に加盟しています。
JSAで資格を取得するには、ワインなどのアルコール飲料を取り扱う職業に3年以上(2年以上の協会会員資格保持者は2年以上)就いていて、なおかつ現役であることが必要です。
また、JSAのソムリエの資格には上位のものとして「シニアソムリエ」「マスターソムリエ」があります。マスターソムリエはソムリエ歴20年以上の協会役員のシニアソムリエから選出される名誉称号です。
JSAが用意している資格には「ワインエキスパート」という資格もあります。これは、ソムリエの資格ではありませんが、20歳以上であれば誰でも受けることが可能なJSAのワイン愛好家用資格です。
ANSAは、NPO法人料飲専門家団体連合会の下部組織です。1997年に設立しました。ANSAはJSAと違い、ソムリエ資格を取るのに実務経験や職業は問われません。資格取得までサポートをしてくれますが費用がかかります。
日本とフランスのソムリエの違い
日本ではソムリエの資格はJSA、ANSAといった民間団体によって認定されます。つまり、日本においてのソムリエ資格は「民間資格」となります。
しかし、フランスをはじめとしたヨーロッパなどのワイン生産国のほとんどでは、ソムリエ資格は政府が管理している「国家資格」です。
そのため、資格なしでも自称可能な日本とは違い、ソムリエ資格の取得は難しくなっています。日本とフランスのソムリエの違いは、この点が1番大きいといえるでしょう。 フランスは世界で初めてソムリエの組合が誕生した地です。
フランスからソムリエが生まれたということもあって、世界的にも非常に重要なポジションにあります。フランスでソムリエを名乗るには、パリ・ソムリエ協会(ASP)が認定した機関で勉強し、そのうえで厳しい試験をパスしなくてはいけません。資格に関しても知識レベル、技術レベルと分かれているのが特徴です。
知識を持っているだけでは、正式にソムリエとは呼ばれません。サービスやテイスティングなどの実技試験も突破しなくてはソムリエとは認められないからです。
国家資格だけあって非常に取得の難しいフランスでのソムリエ資格。しかし、だからこそフランスでのソムリエは、社会的な信用がとても大きい存在となっています。また、フランスのソムリエ資格には「マスターソムリエ」「マスター・オブ・ワイン」といった上級資格も存在します。これらの資格を取得できれば、飲食業界において国際的な権威を手に入れたといっても過言ではないかもしれません。
ソムリエ生誕の地、フランスには国際的なソムリエ組織「国際ソムリエ協会(ASI)」の本部も存在します。ASIは日本ソムリエ協会(JSA)も加盟している組織です。
まとめ
ソムリエについて徹底解説していきましたが、いかがでしたでしょうか。フランスでは国家試験にもなっているという話を聞いた方も驚いた方もいるかもしれませんね。
日本酒のソムリエに当たる資格といえば、唎酒師ですよね。以前書いた記事があるので、こちらも参考にしてみてくださいね。
日本酒の資格について徹底解説!どんな資格があるの? - theDANN media