こんにちは、ワインをメインにお酒の情報や、ワインソムリエが語る本物の知識が身につくメディア theDANN media 編集長のダンです。
今回は人気のワインであるシャトー・ムートンについて徹底解説しました。
5大シャトーの一つ、ヴィンテージによっては100万円以上もの値がつく、最高ブランドのワインです。
シャトー・ムートンが今日まで名をはせるようになった歴史、こだわり抜かれたワインの産地、ブドウの品種、色合い、味わい、香りをまとめました。
おすすめのシャトー・ムートンも参考にしてみてくださいね!
それでは、はじまり〜はじまり〜
- シャトー・ムートンとは?歴史を振り返る
- シャトー・ムートンの色合い・味わい・香り
- シャトー・ムートンの産地・品種・製造方法
- シャトー・ムートンおすすめ5選
- シャトー・ムートンに合う料理
- シャトー・ムートンにまつわるワイン
- 奇跡の格付けワイン!シャトー・ムートンを楽しもう!
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シャトー・ムートンとは?歴史を振り返る
シャトー・ムートンは、フランスのボルドー地方メドック地区の中にあるポイヤック村にあるシャトーです。1853年にロスシルド家のナタニエル・ド・ロスシルド男爵が所有権を獲得し、新たにシャトー・ムートン・ロートシルトと改名されました。
ここでは、シャトー・ムートン・ロートシルトの歴史をひも解いていきます。
メドックの格付けにおいて唯一の昇格を果たす
メドックの格付けとは、メドック地区にある銘柄を生産者の腕やワインの価値によって第1級から第5級まで評価をするもの。1855年のパリの万国博覧会の際にナポレオン3世の命令によって、ボルドーの商工会議所が始めたものです。
ボルドーワインの指標となるメドックの格付けですが、150年以上の歴史の中で格付けの変更がされたのは「シャトー・ムートン・ロートシルト」のみ。それほどまでに大きな飛躍を遂げたワインなのです。
第1級シャトーへの飛躍の背景
1853年にロスシルド家のナタニエル・ド・ロスシルド男爵がオーナーになったのち、1855年の格付けでは第2級という評価が与えられます。第1級になれなかった理由には諸説ありますが、オーナーがフランス人ではなくイタリア人であったことや当時は敷地内にシャトーがなかったことなどが挙げられるようです。
1922年にフィリップ・ド・ロスシルド男爵が跡を継ぐと、様々な改革がスタートし、品質も向上していきます。
当時、ワインは樽に詰められた状態でネゴシアン(ワイン商)に出荷されていましたが、シャトーにてボトルに詰める(元詰め)の制度を導入しました。それに伴い、ワイン保管のために全長100メートルにもおよぶシャトーが建設されました。
1933年からワイン商社の買収が始まり、ムートン・カデを中心としたワインの生産・販売も行われました。現在のAOCボルドーワインのトップブランドに値します。その後、ワインラベルへのこだわりやワインミュージアムへの出品など文化的な価値も高めていきました。
ついに1973年、1855年の格付けが変更され、第1級へと昇格しました。
世界一のブランドとなった現在
現在では、5大シャトーというメドックの格付けの中でも世界トップクラスのシャトーとして、圧倒的なブランド力を誇るようになりました。
1945年からはじまったワインラベルのデザインはその年に相応しいデザインで飾るという独創的で芸術的な発想があります。ミロやシャガール、ブラック、ピカソ、ウォーホル、デルヴォー、ベーコン、バルテュス、タピエスなどの有名作家の作品もあるでしょう。
150年以上もの歴史を覆した奇跡のワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト」は畑や醸造方法、熟成方法にこだわった結果、現在でも多くの人を魅了しています。
シャトー・ムートンの色合い・味わい・香り
シャトー・ムートンは、色合い・味わい・香りのどれをとっても最高の作品そのもの。ヴィンテージによっての違いなども楽しめるワインです。
シャトー・ムートンの色合い
若いムートンは濃い赤色で、熟成が進むとレンガ色に変化していきます。ムートンはスーティラージュ(澱引き)という、樽から樽へワインを移し換え、樽底に沈澱した澱を除去する作業を繰り返し丁寧に行います。
そのため、透明な液体部分と分けられ、ワインの明澄度と輝きは素晴らしいものでしょう。
シャトー・ムートンの味わい
味わいは、果実のリッチさとタンニンはやわらかくしなやかな口当たり、バランスの良い繊細な味わいに仕上がっています。製造年によっては土やオーク、落ち葉のりを楽しめるものも存在し、自然の素材が持つ独特の存在感を楽しめます。
シャトー・ムートンの香り
香りはブドウの果実の香りが豊潤に広がり、力強さも感じられるでしょう。ベリーなどのぶどう以外の果実の華やかな香りが堪能できる銘柄もあり、食事や好みに合わせてチョイスできます。
ワインを評価する方法に一つがテイスティング。テイスティングにチャレンジすることでワインへの理解が深まるでしょう。ソムリエが徹底解説した記事はこちら!
関連記事:【完全版】ワインのテイスティングの目的・手順・NGマナーを解説 - theDANN media
シャトー・ムートンの産地・品種・製造方法
そんなシャトー・ムートンはどのような土地で育ち、何の品種によって、どのように造られているのでしょうか。150年以上もかけて改良を重ねたこだわりのワインを解説します。
シャトー・ムートンの産地
シャトー ムートンのぶどう畑はボルドー北西部のメドック地区にあります。畑の東側にはジロンド川が流れており、土地の傾斜は緩やかで水はけも良く、太陽の光も畑全体に届きます。
西側には大西洋があるため、天候も穏やかで夏はそれほど暑くなく、冬も氷点下になることが少ない地域です。海洋性気候の温暖さにも恵まれており、降水量は1年中少ない土地です。
メドックの土壌は泥灰土と石灰質の基盤と、数メートルもある礫の層が積もってできています。礫を構成する小石や砂は太陽の熱を吸収し、農地には向きませんが、ワイン作りには適した土壌になっています。
シャトー・ムートンの品種
シャトー・ムートンの畑のブドウの品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンが81%と、非常に高い比率で植えられています。残りは15%のメルロー、3%のカベルネ・フラン、1 %のプティ・ヴェルド。
平均樹齢は約45年で、一部では樹齢100年近いブドウの樹も残っています。平均すると1ヘクタールあたりに10,000本の ブドウの樹が植えられており、リュット・レゾ方式で育てられています。
リュット・レゾ方式とは、極力肥料や農薬の使用を控えた育成方式です。
シャトー・ムートンの製造方法
ブドウは約300人で素早く収穫し、数回の選果を経てオーク製の醸造用のタンクに入れられます。
醸造が終わると新しいオーク材の樽でワインを育成していきます。ワインの育成作業は、ウイヤージュ(補酒)、卵白を使用したコラージュ(卵白清澄)をはじめとするメドックの伝統に則った作業です。育成期間は20ヶ月ほどにわたり、2年目からは地下カーヴに移動され、ひんやりした環境にてシャトーでのワイン育成は完了します。
現在では一般的になりましたが、シャトーで瓶に詰めて出荷する元詰めの工程はシャトー・ムートンにて確率されました。
シャトー・ムートンおすすめ5選
ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト
ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルトは、シャトー ムートンのセカンドラベルです。ムートンと同じ区画にある樹齢が若いぶどうを使って作られており、時間をおくほど芳醇さが増します。
濃厚で力強いニュアンスのワインですが、余韻はやわらかです。フランスのグラフィックデザイナーが手掛けたラベルは、シンプルながらも洗練されています。
エール・ダルジャン
1991年に復活したシャトー ムートンの白ワイン、エール・ダルジャンは、1980年代にフィリピーヌ・ド・ロスシルド男爵夫人が植えた白ブドウがはじまりとなっているこの白ワインは、発売後も様々な改良が加えられています。
少量生産でありながらも良質な辛口の白ワインとして愛されており、果物の華やかな香りやバランスの良い味わいが特徴的です。後味はしなやかで、果実のみずみずしさや長い余韻も特徴となっています。
シャトー・ムートン・ロートシルト2014
シャトー・ムートン・ロートシルト2014は、美しい色合いと果実の豊かな香りに加えて、絹のような舌触りも際立っているヴィンテージです。良質な条件のもとで育ったぶどうが使われているため、成熟した完成度の高い風味が楽しめます。
香りはチェリーや黒すぐりなどが主張しており、バニラや黒コショウもほんのりと漂います。ラベルはイギリス人の画家が担当しており、フィリピーヌ・ド・ロスシルド男爵夫人に捧げられたイラストが使用されています。
シャトー・ムートン・ロートシルト2013
シャトー・ムートン・ロートシルト2013は、みずみずしい果実の味わいとタンニンがやわらかに感じられる赤ワインに仕上がっています。ラベルは韓国出身のアーティストがデザインしたもので、ワインの醸造の様子を表現しています。
初めにラズベリーやブラックベリーの甘い香りが広がり、後からスパイシーさも加わってきます。カラーはルビーのような色味のレッドで、雨量の少なさや灰色カビ病などの苦難を乗り越えて作られました。
シャトー・ムートン・ロートシルト1982
シャトー・ムートン・ロートシルト1982は、カラーはガーネットを思わせる深い赤色で、カシスやブルーベリーの果実の香りのほか、パン・デピス、シナモンなどのスパイス系も含んでいます。厚みがあってとろけるようなテクスチャーや、タンニンの程よい主張も魅力となっています。
みずみずしさやチョコレートのような香りも併せ持っているため飲みやすく、余韻も甘美で、長く続きやすいです。ラベルにはジョン・ヒューストンという映画監督が晩年に製作した水彩画を採用しており、太陽とムートンを表す牡羊、そしてぶどうが描かれています。
シャトー・ムートンに合う料理
豊かな香りとリッチな風味が魅力的なシャトー ムートンには、煮込みハンバーグや和牛ステーキ、鴨肉のコンフィなど、肉料理がよく合います。また、バターを使った料理との相性も抜群なので、バターソースをかけたサーモンのグリルやきのこのソテーなどと合わせるのも良いでしょう。
つまみを用意する場合は、スペイン風の具沢山のオムレツや、フライドポテト、サーモンと野菜とホタテのブロシェットなどがおすすめです。油を多く使った料理と合わせることで、ムートンのタンニンがほどよくまろやかになり、果実の味が際立ちます。
美味しいワインには美味しい料理を合わせたいですよね。ソムリエがワインと料理のペアリングのコツを解説した記事はこちら。ぜひ、ワインスクールで学べる有料級の情報を初心者ぬも分かりやすくまとめていますので、参考にしてみてください。
関連記事:【ソムリエが解説】ワインのペアリングとは?料理と合わせるコツを紹介
シャトー・ムートンにまつわるワイン
ムートン・カデ
ブドウが不作だった1930年、ロートシルト家のカデ(末っ子)だったフィリップ・ド・ロートシルト男爵は、余ったブドウを使ってムートン・カデをリリースしました。
ムートン・カデは、高級ワインのシャトー・ムートン・ロートシルトをカジュアルに楽しめるラインアップとして高い評価を得ています。
ラインアップには、ルビー色の赤や黄金色の白、ローズ色のロゼなどがあります。赤はカベルネ・ソーヴィニヨンをベースに造られることが多く、白にはソーヴィニヨン・ブランなどが使われます。
ムートン・カデについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:ムートンカデとは?おすすめワイン5選や美味しい飲み方を徹底解説! - theDANN media
オーパス・ワン
オーパス・ワンは、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵と、カリフォルニアワインにこの人ありといわれたロバート・モンダヴィ氏の2人が、偶然出会ったハワイで意気投合したことから始まったブランドです。
最初に世に出たのは1983年。1979年に造られたものが、50ドルという値段で売り出されました。この値段は当時のカリフォルニアワインとしては破格です。これにより、アメリカのプレミアムワインブランドとしての地位を得たオーパス・ワンは、いまや名声を欲しいままにしています。
オーパス・ワンについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:オーパス・ワンについて解説!どんなワインブランド?おすすめ商品もご紹介! - theDANN media
奇跡の格付けワイン!シャトー・ムートンを楽しもう!
シャトー・ムートンは150年以上もの歴史あるメドック格付けの評価を覆した、奇跡のワインです。
こだわり抜かれた産地、品種、製造方法、ラベルなどから最高のワインとして、今日も高い評価を得ています。
様々なヴィンテージや味わい、香りがあり、お気に入りのシャトー・ムートンとともに美味しい料理のペアリングも楽しんでくださいね。
関連記事:ワインに合う料理はこれ!ソムリエ絶賛のおすすめワインペアリング - theDANN media
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