こんにちは、ワインをメインにお酒の情報や、ワインソムリエが語る本物の知識が身につくメディア theDANN media 編集長のダンです。
「イタリアワインの至高」
「元祖スーパータスカン」
といわれる”サッシカイア”について、徹底解説しました!
スーパータスカンとは中部イタリアのトスカーナ地方で造られたモダンなワインのことで、伝統や形式にとらわれない自由なワインの代名詞です。
では、サッシカイアが元祖スーパータスカンといわれるようになった背景やワインの特徴をご紹介します。
最後には、おすすめのサッシカイアを最高に合う料理のペアリングをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは、はじまり〜はじまり〜
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イタリアワインの歴史を変えたサッシカイアとは?
サッシカイアはどのようにして生まれ、どのようにして現在の人気イタリアワインの地位を築いたのでしょうか。その興味深い歴史を紐解いていきます。
1944年ボルゲリ地区で始まった歴史
サッシカイアの誕生は1944年、中部イタリアのトスカーナ地方のボルゲリという地区です。ゲラルデスカ家というボルゲリの領主に嫁いだのが、インチーザ・デッラ・ロケッタ家のマリオ・インチーザ侯爵。
マリオ・インチーザ侯爵は、大のワイン好きでボルドーのワインを愛飲していたのですが、第2次世界大戦でフランスからのワインの輸入が止まってしまいます。
それならば、自分でワインを造ろうと手にしていた広大な土地を利用してワイン造りをはじめたのです。
この時、カベルネ・ソーヴィニヨンの苗木をくれたのが、シャトー・ラフィット・ロスチャイルド。かのメドック格付け1級を誇る苗木ですから、美味しいワインができるはずです。
後述しますが、ボルゲリの気候や土壌はカベルネ・ソーヴィニヨンを育てるのに最高の土地でした。
このようにマリオ・インチーザ侯爵のワイン好きから自家消費用に造り始めたサッシカイアですが、あまりの美味しさが評判となり、一般向けにも生産を拡大したのです。
圧倒的な実力により元祖スーパータスカンの地位へ
1970年代になるとボルドースタイルのトスカーナワインとして、世界的にも販売が広がりました。世界的な人気にも関わらず、格付けではDOC外の下位のテーブルワインでした。
というのも、当時のイタリアのワイン法ではイタリア品種のブドウを使用しなければ、トスカーナの原産地呼称を名乗ることができなかったのです。しかし、規格外のサッシカイアの実力はとどまることを知りません。
1978年に行われたブラインドテストで全てのワインの中でサッシカイアが1位となったのです。これは、イギリスの有名ワイン雑誌「デカンター誌」が主催するもので、当時のワイン界を牽引する審査員が11か国・33種類のカベルネ・ソーヴィニヨンのワインを銘柄を伏せて試飲をしました。
当時のワイン界ではフランスワインの一強で、かの有名なシャトー・マルゴーなども抑えてイタリアワインのサッシカイアが1位になることは、誰も予想がつきませんでした。その出来事の衝撃といえば、コンテンストや審査員を非難するメディアも出てくるほど。
一躍、世界のトップワインとなったサッシカイアですが、1985年のヴィンテージではワイン・アドヴォケイト誌でイタリアワインとして初の100点を叩き出しました。
神の舌をもつ男として称されたロバート・パーカー氏によるワイン・アドヴォケイト誌に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
サッシカイアの100点の偉大さがわかるでしょう。
関連記事:ワインのパーカーポイントを解説!100点のおすすめワインもご紹介 - theDANN media
ようやく、1994年に「ボルゲリ・サッシカイア」としてD.O.Cに昇格しましたが、単独ワイナリーとしては唯一です。
その後も、2013年にイタリアで最も権威のあるワインガイド ガンベロ・ロッソ誌において最優秀赤ワインに選出、2016年には再度ワインアドヴォケイト誌で100点。
2018年には、ワイン・スペクテーター年間トップ100において、1位となりました。イタリアワイン界の法律を超えて、実力でその地位を築いたサッシアイアは、まさに「元祖スーパータスカン」といえるでしょう。
世界のトップワインに育てた醸造家
さて、ここまでサッシカイアの飛躍をご紹介しましたが、醸造当初は美味しいワインとは言い難い部分もありました。
もともと自家消費用にワイン造りの素人が造り始めたワインです。優れた技術もなければ、ワイン造りのノウハウもありません。
そこで1968年に、ジョコモ・タスキ氏を迎えいれ、コンサルティングを行ってもらいました。タスキ氏は、のちに「スーパータスカンの父」と呼ばれる醸造家でサッシカイア以外にも、ティニャネッロ、ソライア、アルジャーノ、イタリア南部のアルジオラス、ドンナフガータ、コルヴォ・ディ・サラパルータなどを手掛けています。
タスキ氏は、ステンレスタンクによる発酵や長期間によるマセラシオン、フレンチ樽による熟成など、あらゆる設備や技術を駆使しました。その結果、サッシカイアは世界のトップワインへのポテンシャルを秘めるワインへと成長したのです。
2000年以降には、セバスチャーノ・ローザ氏が醸造を務めます。カリフォルニアで醸造を学んだのち、ジョーダン・ワイナリーやシャトー・ラフィット・ロスチャイルドで経験を積んだ実力者。
サッシカイアの醸造だけでなくマーケティング戦略も担当して、ブランドを築き上げました。
サッシカイアの醸造へのこだわり
ここからは、さらにサッシカイアがどのようなこだわりの中で造られているのか解説していきます。こだわりをもって造られないワインなどないですが、サッシカイアの魅力はこのこだわりに詰まっているでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体のブドウ
サッシカイアに使用されるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨンが主体。補助品種としてカベルネ・フランが用いられます。
サッシカイアを生んだマリオ・インチーザ侯爵がボルドーワイン好きだったことと、シャトー・ラフィット・ロスチャイルドから譲り受けた苗木がカベルネ・ソーヴィニヨンだったことでこの品種で造られました。
しかし、この偶然が大正解!ボルゲリ地区の土壌や気候は、カベルネ・ソーヴィニヨンの良さを最大源に活かすものだったのです。
ブドウの果実感をしっかりと備えた中に凛とした酸の存在感が特徴的。サッシカイアの重厚感とエレガントさを生み出すブドウです。
温度差と水捌けのよい土壌
ボルゲリ地区は、地中海性の温暖な気候が特徴的です。ボルドースタイルといわれるサッシカイアですが、ボルドーより温暖なボルゲリ地区。しかし、海からの潮風が乾燥を促し、山からの冷たい風により夜はしっかりと冷え込みます。
この湿度のバランスと温度差がブドウの果実感を凝縮させるのです。
また「サッシカイア」とは、方言で「石の多い土地」という意味があり、砂質・石灰質・粘土質が混ざった水捌けのよい土壌。海に近いことから豊富なミネラルも含んでいます。すでにブドウの栽培に適した土壌をもっていますが、その中でもよりよい場所で栽培をするため、畑が点在しています。
最高のブドウだけを育てるために選ばれた場所で、サッシカイアのブドウは収穫を待ちわびているのでしょう。
熟成期間にとらわれない美味しさ
サッシカイアの特徴として、熟成期間に関わらず美味しいワインに仕上がるという点があげられます。
ボルドーワインでは20年以上の熟成が必要であったり、トスカーナワインでも5年は熟成させることが多いです。
そもそものブドウが高密度で栽培され、低収量で収穫されておりブドウのポテンシャルをこれでもか、と引き出せる状態になっています。また、マロラクティック発酵やフレンチオーク樽による熟成が行われます。
先述したワインコンサルタントジャコモ・タスキ氏やセバスチャーノ・ローザ氏の技術が駆使されて現在に至るサッシカイアは、流通してからすぐでも美味しいワインに仕上がっているのです。
しなやかなタンニンの味わいと華やかな香り
サッシアイアは、色がとても濃く、渋みには豊かさとしなやかさがあり、力強い果実味とバランスのよい酸味を味わうことができるワインです。カシスやマルベリーのような香りと、ジャスミンのような華やかな香りを合わせ持っています。
また、カベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン用のぶどう)特有の、空気に触れるとゆっくりと変わる味わいと香りを楽しめるのも魅力の1つです。サッシカイアは流通してすぐ美味しさを感じることができますが、長期熟成にも耐えられる特徴があります。
長期の熟成によりさらに深みをましたサッシカイアは、より香りに複雑性が増してくるでしょう。アタックの主張しすぎない酸が余韻として伸びていく中に、地中海の彷彿させるミネラル感も覗きます。
サッシカイアとの最高のペアリング
豊かな渋みがあり、力強い果実味とバランスのよい酸味があるサッシカイアには、ジビエなどしっかりとした味の料理に合います。シカ肉やイノシシ肉をローストした料理とマリアージュ(料理とワインの組み合わせ)を楽しむことができます。
羊の乳が原料の「ペコリーノチーズ」も強い塩味があるので、サッシカイアとの組み合わせがよいです。
ワインとチーズのペアリングについては、こちらの記事でソムリエが徹底解説しているので参考にしてみてください。
関連記事:【ワインとチーズのペアリング】チーズと相性抜群のワインもご紹介 - theDANN media
トスカーナの郷土料理には「ピーチ」と呼ばれる、太めのロングパスタがあります。ピーチにトスカーナ産ペコリーノチーズをからめた料理に、同じくトスカーナ産であるサッシカイアを合わせてみてはいかがでしょうか。
美味しいワインには美味しい料理を合わせたいものですよね!ワインとのペアリングのコツを解説した記事はこちらです。ソムリエ直伝のペアリングにより、最高のワインを楽しんでください。
関連記事:【ソムリエが解説】ワインのペアリングとは?料理と合わせるコツを紹介 - theDANN media
おすすめのサッシカイア5選
サッシカイア レ ディフェーゼ 2016 テヌータ サン グイド750ml
サッシカイア レ ディフェーゼ 2016 テヌータ サン グイド750ml 2750円 「レ ディフェーゼ」は、サッシカイアにトスカーナらしさを融合させたテヌータ・サン・グイドのサードラベル(価格を抑えながらも、ワイナリーの個性を楽しむことができるワイン)です。
カベルネ・ソーヴィニヨン70%に、サンジョヴェーゼ(イタリア固有の赤ワイン用のぶどう)30%をブレンドしています。ドライチェリーやブラックベリーのような豊かな果実味とスモーキーな香りを感じることができるワインです。
グイダルベルト (サッシカイア) 2017 テヌータ サン グイド 750ml
グイダルベルト (サッシカイア) 2017 テヌータ サン グイド 750ml 5258円 「グイダルベルト」は、「早くから飲むことができるサッシカイア」というコンセプトで造られるテヌータ・サン・グイドのセカンドラベルです。
カベルネ・ソーヴィニヨンを40%、メルローを60%をブレンドして醸造しています。黒果実系の香りとスパイシーな香りが合わさり、なめらかなタンニンの渋みを感じることができます。
サッシカイア テヌータ・サン・グイード ハーフ375ml[2012]
サッシカイアハーフ375ml[2012]テヌータ・サン・グイード 14190円 2012年のサッシカイアは、イタリアワインの最高峰と称されるほどの特別な年のワインです。カベルネ・ソーヴィニヨン85%と、カベルネ・フラン(赤ワイン用のぶどう)15%をブレンドして造られています。
カシスやブラックベリーのような黒果実系の豊かな香りと力強い味わいがあり、繊細さとエレガントさを兼ね合わせたワインです。
ボルゲリ・サッシカイア 2014 750ml
ボルゲリ・サッシカイア 2014 750ml 19580円 カベルネ・ソーヴィニヨン85%とカベルネ・フラン15%をブレンドして、フレンチオーク樽で24カ月熟成させたテヌータ・サン・グイドのサッシカイアです。
チェリーのような赤果実系の香りと、レーズンのような香りを合わせ持っており、その奥に木を削ったような香りを感じることができるワインです。力強くしなやかな酸味となめらかな渋みのバランスを楽しむことができます。
サッシカイア 2016 750ml
サッシカイア 2016 750ml 21450円 34年ぶりに「ワイン・アドヴォケイト誌」で100点を獲得した2016年のサッシカイアです。ブラックベリーなどの黒果実系の香りとハーブやスパイスを合わせた香りの奥に、なめし皮のような力強い香りを感じることできます。
しっかりとしたタンニンの渋みと、さわやかな酸味のバランスが楽しめるワインです。ミネラル感があり、味わいと香りが長く続き優雅な余韻もあります。「イタリアワインの最高基準と称される1985年物のサッシカイアと並ぶ」と評価されるほどのワインです。
まとめ
これだけサッシカイアについて学べば飲んでみたくなりますね…
その際は、サッシカイアに合う料理のペアリングも楽しんでみてください。
ワインは単体でも美味しい飲み物ですが、最高のペアリングによって生み出されるマリアージュは意識が飛びそうなくらいの衝撃を覚えることもあります。マリアージュについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:【ソムリエ解説】マリアージュとは?ペアリングが生み出すワインの魅力 - theDANN media
人生に彩りを与えてれるワインの魅力が多くの方に伝わることを願っています!
theDANN mediaではワインの特集記事をたくさん書いているので、ぜひ他の記事も読んでみてください。
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ソムリエ様が厳選した2000円から購入できる赤・白・泡のワインと、ワインにぴったりなお料理のレシピ(無料)をお楽しみいただけます。
ウェブサイトにて公開されているレシピはワインとのペアリングが楽しめるように考えられています。
ワインとのペアリングによって、素晴らしいマリアージュが堪能できます。
いつものディナーが、まるで旅行先でふと入ったレストランにいるような楽しいひとときになるでしょう。
パートナーの方やご友人の方と、気軽にペアリングを楽しめます。
ぜひ、the newによる新しいワインのストーリーをお楽しみください。